F1アゼルバイジャンGPを前に、FIAは、オイルを燃料として燃焼してパワー向上を得るという違反行為をさらに厳しく取り締まるという意向をチームに対して示した。
以前からメルセデスが予選になると大幅にパワーを上げることについて、エンジンオイルを燃料として燃やすという違法な行為を行っているのではないかとレッドブルなどライバルたちは疑っている。3月にFIAは、レッドブルからの疑義を受け、どのような形であれエンジンオイルを燃料として燃焼させることはレギュレーション違反と見なされると明言、また、オイルの使用状況と化学成分について監視するとも述べた。
メルセデスは違法な行為は一切行っていないと主張し、実際、不正は見つかっていない。しかし2018年にはオイルの不正使用を取り締まるため、さらに厳格な手段がとられることで、FIAとチーム側が合意している。
一方で、現状では規則の抜け穴を活用する方法があるかもしれないと考えたFIAは、すべてのチームが確実に規則に従うよう、改めてガイダンスをチームに通知し、オイルの化学成分のなかで、燃焼を向上させる効果を持つものの使用を禁止すると明言した。
F1技術部門責任者であるマルチン・ブコウスキーはチームに以下のような指導書を送り、禁止事項を説明した。
「これまでのさまざまな会合で述べられ、TD/004-17で強調されたとおり、オイルの燃料としての使用はテクニカルレギュレーションによって禁止されているものと我々は考えている」
「疑いを避けるために確認すると、燃焼のために使用できる唯一の燃料はガソリンである。ガソリンの許可された特性はテクニカルレギュレーション第19条に明確に記されているもののみである」
「テクニカルレギュレーションには、F1で使用されるエンジンオイルのうち許可されている特性について直接は明記されていないが、燃焼を向上させる目的で追加の成分あるいは物質を使用しようとする試みは、いかなるものであっても、テクニカルレギュレーションの違反と考える」