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新生E-girls「Love ☆ Queen」MV100万回再生突破へ 『Mステ』初パフォーマンスへの期待

2017年06月23日 16:43  リアルサウンド

リアルサウンド

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 E-girlsが『ミュージックステーション』(テレビ朝日)で、19人体制による最後のTVパフォーマンスを披露し、その圧巻のクオリティーが大きな話題となってから早二週間。本日6月23日放送の同番組には、11人体制となった新生E-girlsが新曲「Love ☆ Queen」を提げて初のTVパフォーマンスを披露する。同楽曲のミュージックビデオはすでにYouTube上にアップされており、E-girls史上最速となる、公開からわずか3日で再生回数100万回を突破する快挙を成し遂げており、かつてないほど注目を集めている。本稿では、『Mステ』の新パフォーマンスに向けて、ミュージックビデオから新体制のポイントを読み解いていきたい。


(関連:Aya、E-girlsとして最後のMステ出演を語る「19人で最後を飾れて幸せでした」


■“組み替えのマジック”による進化


 まずは、先々週の19人体制によるパフォーマンスを思い出してほしい。E-girlsの顔役だったDreamのメンバーを軸に、そのフォーメーションをめまぐるしく変えながらも、サビでの一糸乱れぬダンスで、大所帯ならではの迫力を華やかに表現していた。まさにガールズパワーが炸裂した群舞。あのパフォーマンスは完璧で、付け加えるものも調整するところも何一つない。E-girlsは、Dream、Flower、Happinessの力を持ち寄ることで、壮観なパフォーマンスを実現する“プロジェクト”だった。その試みは、充分な成果を上げたといえるだろう。


 すでに完成されたものを、さらに進化させるために有効な手法はなにか。一度、解体して再び組み直すという手法はそのひとつで、音楽や映画はもちろん、絵画や建築など、あらゆる芸術分野で実践されている。たとえばヒップホップの楽曲制作におけるブレイクビーツは、その最たるものだろう。ジャズやファンクから特徴的なフレーズをサンプリングしてループさせることで、新たなグルーヴを生み出すとともに、元の楽曲にも新たな解釈を与える。


 今回のE-girlsの新体制も、まさに組み替えによるマジックといえる。「Love ☆ Queen」のミュージックビデオで、まず注目してほしいのは佐藤晴美、坂東希、須田アンナ、楓のパフォーマンスだ。それぞれ佐藤、坂東はFlower、須田、楓はHappinessでも活躍する長身のメンバーで、その長い手足を活かした優美でダイナミックな振り付けにとりわけスポットが当てられているのである。19人体制の時は後列にいることが多かった彼女らが、今回のミュージックビデオでは前面に出て、全体のパフォーマンスのトーンを決定している。それはすなわち、これまでより“空間を活かした開放感のある”パフォーマンスになるということだ。もともとE-girlsの中にあった彼女らの特性を拡大解釈し、新生E-girlsの魅力として打ち出したのである。


■“全員でひとつ”だったE-girlsは、“多様性豊かなチーム”へ


 空間が生まれれば、個々の動きはより大きくなり、各メンバーの個性にもスポットが当たる。今回、衣装がそれぞれのキャラクターに合わせたものになり、多様性のあるカラフルなソロパートを実現できたのも、新体制だからこその進化といえる。たとえば石井杏奈と山口乃々華。女優としても高い評価を得ている彼女らのソロパートは、まるでトレンディドラマのワンシーンのような仕上がりで、ミュージックビデオにドラマチックなストーリー性を与えている。一方で坂東希は、エキゾチックなルックスを活かし、和傘を使ったパフォーマンスで雅さをプラス。ぐっと大人っぽくセクシーになったSAYAKAは、小物を使ったテクニカルなダンスを披露し、小柄でスピーディーなダンスに定評のあるYURINOは、クラブの中でスワッグなダンススキルを思う存分発揮している。


 ボーカル陣の個性も明確で、走攻守が揃っている。バラードやポップスを得意とするメインボーカルの鷲尾伶菜、低音に安定感がありラップもできる藤井夏恋、レーザーのように抜けの良い高音でコーラスも映える武部柚那。この3人の組み合わせなら、あらゆる歌唱表現が可能である。実際、「Love ☆ Queen」ではポジティブなパワーに満ちたアップテンポのEDMの上で、3人のボーカルが絡み合うマイクリレーを存分に楽しむことができる。


 このように、“全員でひとつ”だったE-girlsのパフォーマンスは、11人それぞれが個性を先鋭化させたことで、“多様性豊かなチーム”へと生まれ変わったのだ。


 しかも、今回のミュージックビデオはそれだけではない。初のLAロケ、男性パフォーマーとの絡み、ピンヒールを使ったパフォーマンス、つい真似したくなる“LOVE”の振り付けなど、数々のギミックが仕込まれていて、何度も見返したくなるエンタテインメント性に溢れる一作に仕上がっている。どのシーンにも新生E-girlsの魅力を発見できるはずなので、ぜひ繰り返して鑑賞してほしい。


 さて、今夜の『ミュージックステーション』だが、前述の通り、まずは長身メンバーの振り付けを軸に、全体を眺めてみることをお勧めしたい。そのうえでキャッチーな“LOVE”の振り付けなどに着目すると、すべてが緻密に作り込まれた洗練されたパフォーマンスであり、これこそが進化したE-girlsの姿なのだと、きっと感じてもらえるはずだ。(松田広宣)