トヨタ・モータースポーツGmbHは6月22日、第85回ル・マン24時間耐久レースで、7号車トヨタTS050ハイブリッドのクラッチトラブルの“原因”になったとされるヴァンサン・キャピレールから、自身の行為について謝罪があったと発表した。
今季のル・マン24時間では、ポールポジションからスタートした7号車トヨタTS050ハイブリッドがレースをリードしていたものの、0時10分、LM-GTEプロクラスの66号車フォードGTがインディアナポリスでコースアウトを喫した際に出たセーフティカーランが終わった直後、クラッチトラブルによりスローダウン。最終的にストップを喫してしまった。
7号車トヨタはセーフティカーランのなかでピットインを行い、マイク・コンウェイから小林可夢偉に交代していたが、可夢偉はピットアウトする際、ピットレーン出口のレッドシグナルで停止していた。
その際、ピットロード出口付近にピットがあったLMP2クラスのアルガルベ・プロ・レーシングのキャピレールが、「レースをリードしているマシンが目の前で停車していて、エールを送りたかった」とサムアップ。これを見た可夢偉はマシンを動かしたが、無線の指示により再停止した。
この一連の動作により、「セーフティカーの後ろにつくために、クラッチを使ってエンジンパワーで再スタートをしようとしたのですが、通常は行わない操作だったため、クラッチが壊れてしまいました」という可夢偉の7号車のトラブルの原因となっていた。
キャピレールらがドライブした45号車は今回オレンジとブラックのレーシングスーツを着ており、マーシャルが着ていたウェアと非常に似ていたこと、ピットレーン出口で誰かから合図された場合、発進許可だと見えてしまいそうなことなどから起きてしまった事故だが、TMGはキャピレールから自身の行為について謝罪があったとステートメントを発表した。内容は下記のとおりだ。
「TOYOTA GAZOO Racingは、ル・マン24時間におけるヴァンサン・キャピレールから、彼の行為に対する謝罪があったと認める。我々は彼の謝罪を全面的に受け入れ、彼のスポーツ的なジェスチャーが、7号車に対して少しのネガティブな結果を引き起こすことが目的ではなかったと認める」
「我々はヴァンサンとの良好な関係を持続し、この問題についてはここで終了すると考えている」