第8戦アゼルバイジャンGPの木曜FIA会見は、第1部がキミ・ライコネン、ダニール・クビアト、ストフェル・バンドーンという3人。
実はパドックでも「話が優等生的で退屈」と名高い3名でして、やはり第1部は大した盛り上がりもなく20分も保たずに終了。
第2部との入れ換えのためにヒルトンホテル2階の記者会見場から屋外のTV囲みエリアへ出たものの、当然ながら第2部の3人のインタビューは終わっておらず、しばし待ちぼうけ。イタリア語が堪能なクビアトはトロロッソとフェラーリの広報女史たちと歓談、それを見詰めるライコネン、バンドーンはひとりぼっちと、微妙な人間関係が。
そして第2部で最後までTVインタビューが続いていたのが、前戦カナダGPでチームオーダー騒動が巻き起こったエステバン・オコンでした。
報道陣は攻撃的な言葉を引き出そうと煽りますが、終始笑顔で交わすオコン。
「レース後のデブリーフィングでも話し合ったけど、その後は飛行機の時間もあったからゆっくりできなかった。だから翌週に僕から電話をして話し合ったんだ。もう何の緊張もわだかまりもないよ」
自分からセルジオ・ペレスに電話をしたことについては、そうすべきだと思ったから行動したと話します。
「レース後はバタバタしていたけど、落ち着いたところでリラックスして話し合うことが重要だと思ったんだ。だからそれぞれの意見を自由に2人だけで話し合った。そうすることが大切だと思ったからね」
まだ20歳の新人なのにペレスよりもよほど大人なところを見せつけたオコンは、クリスマスカードの送付リストにまだペレスの名前がある?と聞かれて「イエス! 何も問題ないからね!」と即答してみせたのでした。
ペレスのコメントを聞いてみても今回のチームオーダー騒動は丸く収まったようですが、この騒動で株を上げたのは大人のオコンの方だったようです。
そしてモナコGPの際に語っていた「今季の目標は表彰台に乗ること」というオコンの気持ちにも変化がないどころかより自信が深まったようです。
「そう、今シーズン中に表彰台に立つというのが僕の目標だよ。開幕からここまでの成長には満足しているし、クルマもどんどん気持ち良く走れるようになってきている。フィーリングもすごく良くなってきて、これだけ良いクルマがあるんだから、表彰台という目標も不可能じゃないと思っているよ。そのために僕自身も100%プッシュし続けるしね」
最後までオコンの好青年ぶりが際だったアゼルバイジャンGP木曜会見だったのでした。