トロロッソF1チームは、ドライバーたちがスリップストリームを利用し合うという戦略を定めたものの、認識の相違などから不満が出ている。ダニール・クビアトは、チームメイトのカルロス・サインツJr.とのコース上における協力関係を今後も続けることに疑問を感じているという。
前戦カナダGPの予選で、ファストラップでは互いのトウを使うという取り決めをクビアトが「尊重していない」とサインツJr.がチーム無線を通じて伝えた。
カナダGP予選直後にサインツJr.は、自分の方は一度もスリップを利用することができなかったのは不公平だと不満を述べていた。
「もちろん文句を言ったよ。僕は一度もスリップストリームを使えなかったのに、誰かが僕のスリップを使っていたんだから」とサインツJr.が語ったとF1 Todayが伝えている。
「面白いことにそれは僕のチームメイトだった。4回の走行で僕が前を走るなんてフェアじゃない」
しかしクビアトによると、トロロッソのポリシーでは、ドライバーふたりはレースごとに交代で相手を援護すると決められており、カナダGPではクビアトが援護を受ける番だったという。「そんなことはチームの全員が知っている」とクビアトは述べている。
サインツJr.のコメントに対する感想を求められたクビアトは、「予選後の彼の振る舞いは正しくない」と反論した。
「予選のデータを見ると、僕に関してはトウによるタイムの伸びはゼロだった」
「予選での彼と僕のベストラップに違いはない。トップスピードもストレートスピードもまったく同じだ」
「彼はコーナーの後ろに幽霊でも見たんじゃないかな」
「僕たちは交代で助け合っている。そうして戦略が機能しているんだ。このレースでは僕が後ろに、次のレースでは彼が後ろにというふうにね」
「バクー(でのアゼルバイジャンGP)では彼がトウを使う番だけど、これからも予選で彼と協力し合いたいかどうか分からないな」
「僕の側からはすべてが空のように明快でとてもはっきりしている」
「もし疑問があるなら、僕のところへ来て遠慮なく聞いてくれればいいのに。そうする勇気があればの話だけど」
「もし十分勇気がないのなら、彼は君たち(メディア)のところへ行って話すだろうね。そうしていつもメディアに隠されたメッセージを送っているんだ」
サインツJr.は、カナダGPの予選後にチームはミーティングを行い、彼の懸念について議論したとして、この件は今ではすでに「忘れ去られたこと」であると語った。
「(このことは)あまり話したくない」とサインツJr.は語った。「チーム内部にとどめることだ」
「自分の意見とあの状況での自分の考えをはっきり示した。あの時点では僕にとって間違いなく不公平な状況だと思った。あの手の(モントリオールのような)コースだと特にね」
「そうしたことを伝えて議論し、もう忘れてしまった。解決策を見つけたからね」
「(前に進むことができて)皆、満足しているよ」