メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、2018年にマクラーレンにパワーユニット供給を行う可能性について聞かれ、今の段階でマクラーレンとホンダのパートナーシップの将来に干渉するような行動をとるつもりはないと語り、両者が契約を結んでいる段階で新たな契約について話を進める気はないと示唆した。
カナダGPの週、マクラーレン首脳陣からホンダへの批判的発言が相次いだ後、決勝で10位を走行中だったフェルナンド・アロンソが残り3周の時点でエンジントラブルでストップ、チームは今季初入賞のチャンスを逃す結果になった。
マクラーレン・ホンダは、2017年に信頼性の問題とパフォーマンス不足の両方に苦しんでおり、第7戦を終えた時点でいまだにノーポイント、ランキング単独最下位に沈んでいる。
マクラーレンのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、ホンダにパワーユニットの改善を促し、「プランB、プランCを用意している」という発言を行った。そのため、マクラーレンは2018年にはホンダとの提携を解消してメルセデスのパワーユニットを積むのではないかとの推測も持ち上がっている。
メルセデスは今年、ワークスチームに加えてウイリアムズとフォース・インディアの合計3チームにパワーユニットを供給している。ウォルフが今週ジュネーブで開催されたFIAスポーツカンファレンスにおいて、メルセデスは来年4チームに供給するだけの余裕があると発言したことから、マクラーレンとのパートナーシップ復活の可能性についての質問がなされた。
2018年にマクラーレンに供給する可能性があるのかと聞かれたウォルフは「今の段階では、それは我々にとって最優先事項ではない」と答えた。
「まずは、ホンダとマクラーレンが彼らの関係をうまく整えるところを見たい」
「今、市場にはかなり活気が見られるので、我々はそれを外から見守っている。我々はそういう立場だ。何より重要なのは、ホンダが優れたパフォーマンスを発揮し、このスポーツにとどまり、カスタマーチームやワークスチームと良い契約を結ぶことだ」
「その段階で干渉はしたくない。それが我々にとっての優先事項だ」
マクラーレンはパワーユニットの供給に関してメルセデスと交渉を行っているのかという問いに対して、ウォルフはこう答えた。
「新たな花嫁になる立場であれば、カップルが離婚するまではベッドに入りたくはない」
ウォルフは、F1に4社のエンジンマニュファクチャラーが参戦しているのは幸運な状況であると語り、ホンダがF1にとどまることは非常に重要だとの考えを示した。
「何よりも重要なのは、ホンダがこのスポーツにとどまることであり、ホンダがカスタマーとうまく機能する関係を築くことだ」とウォルフ。
「だからこそ、我々としては今はこの話題に深くかかわりたくはない」
ホンダは2018年はマクラーレンに加えてザウバーにもパワーユニットを供給することをすでに明らかにしている。