モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第15戦ミシガン
デニー・ハムリンがカップで4位
エクスフィニティでは今季初勝利
ミシガンの2マイルオーバルでカップとエクスフィニティ、ゲートウェイでトラック・シリーズが開催。カップ・シリーズではマーティン・トゥルーエクス・Jr.が2ステージを制覇。
カイル・ブッシュと共に首位を争ったが、終盤のコーションで順位を落とし、デニー・ハムリンが最上位の4位フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズではハムリンが今季初勝利を挙げた。トラック・シリーズでも終盤のコーションで勝利を逃し、マット・クラフトンが4位。トヨタ・タンドラは6台がトップ10フィニッシュを果たした。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第15戦 FireKeepers Casino 400
開催日:6月18日
デニー・ハムリンが4位フィニッシュ
カイル・ブッシュがランキング3位浮上
6月18日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第15戦「FireKeepers Casino 400」が開催された。
ミシガンはNASCARの標準的なオーバルよりも長い1周2マイルで、コース幅が比較的広いのが特徴。このため、300km/hオーバーで3ワイド、時に4ワイド、5ワイドの超高速バトルが繰り広げられる。
トヨタは過去5勝。デニー・ハムリンが2勝、カイル・ブッシュとマット・ケンゼスが1勝ずつを上げている。
18日(日)午後3時20分に2マイルオーバルを60周、60周、80周の3ステージ合計200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.がやや出遅れ、3番手スタートのカイル・ブッシュが2位へ。
しかし、好調なトゥルーエクス・Jr.は、ややハンドリングに苦しむカイル・ブッシュをかわすと35周目には首位を奪い、ステージ1を制覇。カイル・ブッシュが3位、ハムリン4位、ケンゼス5位、とトヨタ勢が上位を占めた。
ステージ2はイエローフラッグが出ない展開となり、中盤以降グリーンフラッグ下での給油ピット作業に。これを全車終えた時点で2位トゥルーエクス・Jr.、3位カイル・ブッシュとなったが、トゥルーエクス・Jr.はまたもステージ終了直前に首位に立ち、今季10度目のステージウィンを勝ち取った。
ステージ2はカイル・ブッシュが2位、ケンゼス4位、ハムリンが7位でポイント獲得。
ステージ3も序盤はトゥルーエクス・Jr.が支配していたが、150周目に周回遅れ車両がトゥルーエクス・Jr.の目の前でスピン。間一髪でトゥルーエクス・Jr.はこれをかわしたが、イエローコーションに。このピットでトップに立ったカイル・ブッシュが再スタートも決めこの日3度目の首位浮上。後続を引き離し、2位に2秒以上の大差での独走となった。
しかし、180周目にコース上の異物によりイエローコーション。上位勢はピットに入らずコース上に残る作戦に。
再スタート後、立て続けにクラッシュが連発。191周目には再スタート直後の接近戦となった4ワイドバトルの中で、ダニエル・スアレツが巻き込まれてしまった。スアレツは決勝前の規定外調整による最後尾スタートから追い上げトップ10圏内まで浮上していたが、無念の後退。
レースは残り5周でハムリンが2位、カイル・ブッシュが5位、トゥルーエクス・Jr.が7位、ステージ1にトラブルで一時は周回遅れとなっていたがポジションを取り戻したエリック・ジョーンズが9位から再スタート。
ハムリンはホイールをスピンさせスタートダッシュに失敗。2台の先行を許してしまい、4位でチェッカー。トヨタ勢はステージ1,2を制し、レースの約半分で首位を快走しながら、またも勝利を逃すこととなってしまった。
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が6位。トゥルーエクス・Jr.はこの結果、ランキング2位に後退。カイル・ブッシュは7位フィニッシュとなったが、ステージ1,2でのボーナスポイントもあり、ランキングでは3位に浮上した。ケンゼスが11位。エリック・ジョーンズは13位でチェッカーを受けた。
次戦第16戦は6月25日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、ソノマ・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン
「我々のトヨタ・カムリは快調だった。自分たちのできることは全てやった。若干ピットでタイムをロスしたが、レースは概ね良い走りが出来たし、トヨタ・カムリのスピードにも満足している。最後の再スタートは不利なイン側だったので厳しい戦いになることは分かっていた。ベストを尽くした結果だ。終盤は我々の望まないタイミングでコーションが出てしまった。とはいえ着実に改良は進んでいる」
NASCAR XFINITY SERIES
第13戦 Irish Hills 250
開催日:6月17日
デニー・ハムリンがシリーズ今季初勝利
カイル・ブッシュは最後尾から5位フィニッシュ
6月17日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第13戦「Irish Hills 250」がミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
17日(土)決勝直前に行われた予選では、カイル・ブッシュが今季シリーズ3度目となるポールポジションを獲得。今季3戦目のエクスフィニティ・シリーズ出場となるデニー・ハムリンが5番手、今季よりシリーズにフル参戦している20歳のルーキー、マット・ティフトが14番手につけた。
午後1時49分、2マイルオーバルを30周、30周、65周の3ステージ合計125周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのカイル・ブッシュはスタート直後に後続から接触されスピン。どこにもぶつからなかったものの、いきなり最後尾へと後退しての追い上げを余儀なくされた。
5番手スタートのハムリンが2位でステージ1をフィニッシュ。カイル・ブッシュは19位までポジションを上げた。
ステージ2は終了直前にイエローコーションが発生したため、ハムリンらは先にピットに入ってタイミングをずらす作戦に。これにより、ステージ2はハムリンが10位、ティフトが19位、カイル・ブッシュが20位に一旦落ちたが、コーションのまま終了したステージ2とステージ3の間に上位勢がピットイン。これにより、ステージ3はハムリンが2位、ティフトが12位、カイル・ブッシュ13位で再スタートとなった。
カイル・ブッシュは得意の再スタートを決め7位へとジャンプアップ。82周目にコース上の異物でイエローコーションが出されると、ハムリンはピット作業で首位に浮上、32周にわたって首位を走行した。
レースが残り5周となった121周目、12位でトップ10圏内入りのバトルを繰り広げていたティフトがスピン。レースは残り2周でのスプリント決戦に。
再スタートでは2位の19歳ルーキー、ウィリアム・バイロン(シボレー)が先行したが、まもなくハムリンが追いつき、ファイナルラップでは2台はサイド・バイ・サイドに。並んだまま2台はフィニッシュラインを越えたが、僅かに前に出ていたハムリンが、0.012秒差で勝利。今季シリーズ初勝利を挙げた。この僅差は、ミシガンで電子計測が始まった1993年以来、エクスフィニティ・シリーズでは最小差での勝利記録となった。
最後尾から追い上げたカイル・ブッシュは5位でフィニッシュした。
次戦第14戦は6月24日(土)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン
「優勝できて良い気分だ。我々のトヨタ・カムリは一日を通して速かった。最後は望んでいなかったコース上の異物によるコーションが出てしまい、第3ターンを立ち上がってからは祈るような気持ちだった。最速のピットをこなしてくれたチームを誇りに思う」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第8戦 Drivin' For Linemen 200
開催日:6月17日
6台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦「Drivin' For Linemen 200」が6月17日(土)に米国中部イリノイ州マディソンのゲートウェイ・モータースポーツ・パークで開催された。
セントルイス近郊に位置するゲートウェイは昨年、ルーキーだったクリストファー・ベルが舗装路での初勝利を挙げたコース。
この週末、カップとエクスフィニティはミシガンで行われたため、掛け持ちのドライバーはおらず、シリーズのレギュラーによって激戦が展開された。
17日(土)夕方からの予選に続き、午後7時45分に1.25マイルオーバルを35周、35周、90周の3ステージ合計160周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
ステージ1は2回のシリーズチャンピオンを獲得しているベテランのマット・クラフトンが3番手、ベルが4番手、カップ・シリーズドライバーであるマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟、ライアン・トゥルーエクスが5番手、デビュー2戦目の17歳、トッド・ギリランドが6位、ベン・ローズが10位でフィニッシュした。
ステージ2もクラフトンがトヨタ勢最上位の2位。グラント・エンフィンジャーが4位、ベル5位、ローズが8位、ライアン・トゥルーエクスが9位、ギリランドが10位となった。
ステージ3の再スタート後は、タイヤ2本交換で順位を上げたベルが首位争いを展開。ギリランドも4位で続いた。しかし、ギリランドはレース終盤の115周目、トランスミッショントラブルに見舞われガレージへ。惜しくもここでレースを終えることとなってしまった。
この日はステージ1,ステージ2,ステージ3の中盤まで全くイエローコーションの出ない展開となったが、残り13周というところで初めてのイエローコーション。
残り8周での再スタートが切られると、直前のグリーンフラッグストップで給油のみとしポジションを上げたクラフトンが首位浮上、その後方で激しい2位争いを繰り広げたベルは、他車に接触されタイヤがパンク。
クラフトンはタイヤの新しい後続勢に攻められ、4位でチェッカー。エンフィンジャーが5位で3戦連続トップ5フィニッシュ。ベルが6位、ライアン・トゥルーエクスが7位で6戦連続のトップ10。ローズが8位、19歳の誕生日を迎えたばかりのノア・グラッグソンが9位に入りこちらも4戦連続トップ10。トヨタ・タンドラは6台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第9戦は6月23日(金)にアイオワ・スピードウェイで開催される。
ドライバー マット・クラフトン
「ライバル達は最後2本タイヤ交換で仕掛けてきたが、我々はタイヤを交換しておらず、多くのラップを走っていた右タイヤはもうグリップがなかった。逆転はされたが、速さは示せた」