F1シーズンを転戦していると普段見かけない人との出会いがある。そんな人に、「あなたは何しに、レースに来たのか?」を尋ねてみる特別企画。今回はNBAスター選手のビスマック・ビヨンボ。そして限られたゲストしか入れないF1のスタートグリッドにビヨンボを招待した人物とは。
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カナダGPのスタートグリッドに、周囲の人々から頭一つ飛び出すほどの上背でひと際目立っていた人物がいた。
NBA(全米プロバスケットボール)の強豪オーランド・マジックに所属するスター選手のビスマック・ビヨンボだ。どおりで大きいはずである。
スラッとした体格でスリムに見えるが、こう見えて体重は104kg。それもそれはず、身長は206cmもあるのだ。
ビヨンボがどんな選手か知らない人のために、簡単に説明すると、出身はアフリカのコンゴ民主共和国。2011年のNBAのドラフトで1巡目7位で指名された逸材で、昨シーズンのプレーオフからレギュラーに抜擢され、クリーブランド・キャブスとのカンファレンス・ファイナル第3戦で球団新記録の26リバウンドを記録するなど大活躍を見せて、一躍スター選手として脚光を浴びるようになった。
その活躍が認められて、昨シーズン終了後にオーランド・マジックに4年、総額7000万ドル(約77億7800万円)で移籍した。
移籍した今シーズンは、残念ながら所属するマジックはプレーオフに進出できなかったため、シーズンを早めに終了していたビヨンボはかつてトロントに在住していたということもあり、隣町のモントリオールで開催されていたF1カナダGPを観戦に来ていたというわけだ(ウインタースポーツのNBAのシーズンは11月から6月まで)。
ところで、ビヨンボを招待したのはだれか。というのも、スターティンググリッドに入ることができるのは、限られたゲストだけだからだ。
「ビスマックを招待のは、私だよ」と答えるのは、ルノーのマネジングディレクターを務めるシリル・アビデブール。
アビデブールのバスケットボール好きは有名で、数年前にもアメリカGPにフランス人でアンサントニオ・スパーズのスター選手のトニー・パーカーを招待して、パドックでフリースロー大会を開いたこともあった。
そんなアビデブールに、「次はどんなNBA選手を招待するのか?」と尋ねたら、ニヤッと笑ってこう答えた。
「できれば、マイケル・ジョーダンを呼びたいね」
今年のアメリカGPを楽しみにしたい!!