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ルノー製F1パワーユニットのアップデート内容は性能より信頼性を重視

2017年06月22日 06:32  AUTOSPORT web

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ルノーは信頼性向上を主軸に、パワーユニットのアップデートをしている
ルノー・スポールでマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、自社のF1パワーユニットについて、走行性能よりも信頼性の向上を優先させて開発を続けると語っている。

 ルノーからパワーユニットの供給を受けるレッドブルは、今シーズン開幕時点ではカナダGPで大規模アップデートが行われることを想定していた。しかしルノーはこれが7月までずれ込むと発言。さらに今回のアップグレードにおける主な課題は信頼性の向上であると付け加え、レッドブルの見解は間違っていたとした。

 競合エンジンメーカーとの性能差が以前よりも縮まっているため、ルノーは自社パワーユニットの信頼性向上に注力し続けるとアビテブールは強調する。アップデートで大きな進展が見られるのかと聞かれたアビテブールは「それはない」と否定したうえで、以下のように語った。

「自分自身としてもルノーF1チームとしても残念だとは思うが、そこまで劇的な改良はもうできない。我々のエンジン開発がどう進んでいるかというと、現状は絶え間なく改善が行われている状況だ」

「昨シーズンは我々のパワーユニットが性能で劣っていたがゆえに、何か新しい改良が行われるたびに、搭載している各チームのパフォーマンスにはっきりとした成果が見られた」

「今年だけでなく来年もこうしたことは起きない。競合パワーユニットとの性能差は縮まっていて、ごく小さな改良が連続することで、結果として先行するチームに追い付けるようになるのだ」

「信頼性は向上した。いま使用しているパワーユニットは、まだ今季の1基目なので、多少の難しさは残るかもしれない。だが次に導入するパワーユニットでは、いまよりもずっと信頼度が高まる。これは、最大のパフォーマンスで走行できる距離が伸びることを意味する」

「メルセデスも(自社製パワーユニットについて)同様の話をしていたし、我々もそれができるようになるということだ。これによって我々は、パワーユニットの異なるモードも試せるようになる。これについては今後、数レースのうちに始めることになるだろう」

「さらにハードウエアの面でも、信頼性向上に向けた変更がいくつか行われる予定だ」

 アビテブールはこうした信頼性向上への取り組みとは別に、パワーユニットの走行性能を高めるアップデートも、2017年シーズン末前には導入されるだろうと付け加えた。

「今シーズン終盤に、より高いパフォーマンスを実現する新しいハードウエアを導入する可能性がある。だが、まずは信頼性からだ。具体的には4基目のパワーユニットを想定している。3基目まではすでに存在する。仮にカナダGPでブローがあったら、3基目を使っていたはずだ」

「これからも小さな改良が続いていく。並行して、来季のパワーユニットについても大きな一歩を進めようとしているところだ」

「来年のパワーユニットについては、すでにかなりの進展がみられている。それは、ある領域において革新があったことを意味している。だが、その部分も小さな改良の組み合わせの産物であり、パワーユニットのパッケージはどの部分をとっても、そういったもので成り立っているんだ」