メルセデスF1のトップであるトト・ウォルフは、契約期間の短いバルテリ・ボッタスが、多くのプレッシャーにさらされて居心地の悪い状況にあることに理解を示した。
ボッタスは2016年にチャンピオンを獲得したニコ・ロズベルグの後任として、オフシーズン終盤に1年契約でメルセデスへと移籍し、ルイス・ハミルトンのチームメイトとなった。
ジュネーブで開かれたFIAスポーツカンファレンスにおいてウォルフは、メルセデスで良いスタートを切ったボッタスに満足していると述べた。しかし今シーズン末はセバスチャン・ベッテルやフェルナンド・アロンソといったトップクラスのドライバーの契約が切れるため、シーズン序盤に契約延長が確定することはないことを、ボッタス自身は承知していると強調した。
「もちろんかなりのプレッシャーがあり、彼にとっては居心地の良くない状況だ」
「バルテリにオファーをすると決めたとき、我々が意志決定に時間をかけるだろうことを彼は知っていた。2018年と2019年にドライバー市場がよりオープンになるからだ」
「ゆえに我々は決定を急がないが、彼とともに仕事を続けながら、どのような展開になっていくかを見守っていくことになるだろう。しかし総合的なチームの見解を言えば、彼は良い仕事をしている」
「彼がオファーを提示されたのはかなり遅い時期だった。それでもメルセデスですでに5年目を迎える、F1でも最高と言えるドライバーと競い、ポールポジションを獲得し、ソチでは圧倒的な強さで勝利をあげた。さらに言えば、彼はもっと難しいレースもこなしている」
「コース上でのパフォーマンスや、チームへの順応の仕方がとても良かったのだ」
力量を示したボッタス
ウォルフは、短期契約でメルセデスに移籍したことはボッタスにとってリスクだったと認める一方、最高峰のマシンで力量を示し、評価を上げたと考えている。
「彼はウイリアムズを離れ、1年契約でメルセデスに移るという決断を下した。レースドライバーとしての評価は高まったと思う。彼は敗北ではなく勝利を得たのだから、すでに報われたと思うよ」
ボッタスは移籍の際、メルセデスにスポンサー資金を持ち込んでいる。これが鍵となってロズベルグの後任に選ばれたわけではないが、この事実が彼の魅力を高めたとウォルフは付け加えた。
「現在、ほとんどのチームの収益モデルは、収入を実際に生み出すことにある。レッドブルやメルセデスでさえ、スポンサーシップを持たないドライバーよりは、持つドライバーと契約するだろう」
「たとえばバルテリも、今季に向けた付加価値の一部はスポンサーを伴ってやってきたことにある。資金はないより、あった方がいいことに間違いない」