G-ドライブ・レーシングを率いるロマン・ルシノフは、第85回ル・マン24時間耐久レースの序盤、LM-GTEアマクラスのマシンと交錯しクラッシュ、リタイアとなったが、このアクシデントによりWEC世界耐久選手権第4戦ニュルブルクリンクで3分間のストップペナルティが科されることとなった。
TDSレーシングのサポートを受けるG-ドライブの26号車オレカ07・ギブソンは、ルシノフがアレックス・リン、ピエール・ティリエとともにマシンをシェアしている。
ルシノフがドライブする26号車オレカはLMP2クラスポールからスタートするが、スタートから1時間を過ぎた頃、ポルシェカーブの出口付近でプロトン・コンペティションのハレド・アル・クバイシが駆る88号車ポルシェ911 RSRと接触し、コーナーアウト側のバリアにクラッシュ。マシンの足回りにダメージを負ってしまう。
コースサイドで止まったルシノフの26号車オレカは、一度オフィシャルによってバリアの背後に退避させられた。その後、ルシノフは傷ついたマシンをなんとかピットに戻すことができたものの、チームはレースの早い段階でリタイア届けを提出している。
今回のアクシデントによりG-ドライブの26号車オレカは、WEC次戦のニュルブルクリンクで、コース約2周分のタイムに相当する3分間のペナルティを受けると同時に、WECの以後3ラウンド(ニュルブルクリンク、メキシコ、オースティン)において、執行猶予付きの3分間のストップ&ゴーペナルティも科されることとなった。
ルシノフのチームメイトで、予選ではクラスポールを獲得する活躍をみせたリンは、チームの戦いがあまりにも早く終わってしまったことに愕然としたという。
「ロマン(・ルシノフ)は5月の第2戦スパ-フランコルシャン6時間では素晴らしいスタートを切ったのに、今回のル・マンではスタートした途端におかしな状態になってしまっていた」とリン。
「彼はファーストラップでいくつかポジションを失っていた。いろいろなことが間違った方向へ行き、負のスパイラルに飲み込まれてしまったんだ」
「僕は本当に愕然としたよ。特にポルシェとトヨタのLMP1マシンに起こったことを考えると、LMP2マシンによる総合勝利も可能だった」
「最低でもオーバーオールの表彰台は狙えたはずなのに……信じれらなかった。受け入れるのが難しいよ」
リンはWECと日程が重複している2016/17フォーミュラE第9戦ニューヨークでDSバージンからレースデビューするものとみられ、WEC第4戦を欠場する予定。
フォーミュラEのニューヨークラウンドでは、DSバージンのレギュラードライバーであるホセ-マリア・ロペス、サム・バードの両名がWECを優先する可能性が高く、同チームでリザーブドライバーを務めるリンは、代役としてレース出場する見込みだ。