ホンダがF1復帰3年目の今年、苦しいシーズンを送っているなか、ホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏は、現在、自身が更迭される動きはないと発言した。
前戦カナダGPの週には、マクラーレンのエグゼクティブディレクターであるザック・ブラウンがホンダに強いプレッシャーをかけるような発言を繰り返した。さらに、週末を通してパワーユニットのトラブルが続き、決勝では10位走行中のフェルナンド・アロンソのエンジンが残り3周というところで故障、チームにとって今季初ポイントのチャンスを逃す結果になった。
かつてBAR・ホンダプロジェクトにかかわっていた長谷川氏は、2016年、新井康久氏からF1総責任者のポジションを引き継いだ。マクラーレン・ホンダの新プロジェクトは2年目に確実な向上を見せたが、2017年には再びパフォーマンス、信頼性の両面で大きな問題を抱える状況に戻ってしまった。
英AUTOSPORTは、今年の不振により長谷川氏が更迭されるのではという推測も持ち上がっているものの、情報筋によれば、ホンダ首脳陣は、わずか2年で彼を降ろすことは考えていないようだと伝えている。
長谷川氏は、英AUTOSPORTから自身の将来について聞かれ、「私の将来を決めるのは私ではありません。誰かが私のポジションを変えたいと思うなら、私はそれに従うだけです」と答えた。
「ホンダとしては、私のポジションを変えることを、誰も考えていません」
「今は、仕事に取り組み、進歩を果たすことに集中しています。私は、ここにいる限り、ベストを尽くすつもりです」
「私たちは、今のパフォーマンスに満足していません。懸命に努力していますが、満足いく結果は出ていません。非常に悔しいですし、落胆しています」
「このプログラムをもっとうまく率いることができる人物がいるかもしれません。その人物がここにいるなら、残念ですが私はポジションを変えなければなりません」
カナダGPの週末、F1のスポーツ面を取り仕切るロス・ブラウンが、BBCに対し、F1にとってホンダは大事な存在であり、状況を改善するためのサポートをしたいと発言した。
「彼らが今後やるべきことを明確にする手助けができるかどうかを確認するため、彼らと話をしてきた」とロス・ブラウンはBBC Sportに対して語った。
「我々はホンダはこのスポーツの重要なメンバーであると考えている。もし今後改善していこうという彼らの取り組みをサポートするために我々にできることがあるなら、それを実行する」
この発言を受け、長谷川氏はブラウンと話をしたという。
「彼は要請があれば喜んでホンダをサポートすると言いました」と長谷川氏。
「彼にサポートをお願いしなければなりません。この申し出には非常に感謝しています」
「今後も彼と話をしていきます。私たちをサポートしてくれるはずです」
ブラウンはホンダにはF1に残ってほしいと述べたかと聞かれ、長谷川氏は「それについてはコメントしませんでしたが、そう考えているともちろん感じています。ホンダが残ることを望んでいるから、サポートを申し出たのだと思います」と答えた。