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“SMAP”として培われた共通のスタイルとは? 5人のラジオから伝わるメンバーの絆

2017年06月21日 07:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎が、9月にジャニーズ事務所を退所することを発表した。SMAPとして活動を共にしてきた中居正広と木村拓哉は、現段階では残留と報道されている。グループの解散騒動から様々な憶測や情報が飛び交ってきたが、今回も彼ら自身の口から心境が語られることはなさそうだ。しかし、どんな報道が出ても、テレビやラジオに出演している彼らは変わらず私たちを楽しませてくれる。誰ひとり「わかってくれ」「そうじゃない」などと、ぶちまけることをしない。このスタイルこそ5人が持つ共通のプロ意識のように感じる。その強さこそ、SMAPというグループが長年愛されてきた理由なのだろう。


(関連:中居正広、ジャニーズ事務所残留なぜ決断? 太田省一氏に“物語の行方”を聞く


 彼らがのびのびと活動を続けること。ファンの願いは、そこに収束するように思う。マネジメント体制が変わったとしても、これまで通り長年愛されてきた各番組の存続を望む声は多い。特にラジオ番組は、彼らの飾らない言葉が聞ける貴重なコンテンツ。フリートークのなかに、それぞれが抱いている本音を推し量ろうと聞き耳を立ててしまう。


 6月16日放送のラジオ番組『木村拓哉のWhat’s UP SMAP』(TOKYO FM)と、6月18日放送の『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)では「Fly」がかかり、ファンの間で話題を呼んだ。偶然かもしれないが、数多くあるSMAPの曲の中で近い日付で流れるのは深読みしたくなってしまうものだ。


 しかも、木村の番組で「Fly」がかかる直前にトークされていたのは、「元彼が忘れられない」というリスナーからの相談。ヨリを戻したいけれど、なかなか言えないというリスナーに対して、木村がしたアドバイスは「ダダダッていかなければいいと思う。ちゃんと足もとをみて、確認して進んでください」というもの。もし仮に元彼に新しい彼女がいて、今がその時期じゃないとするならば、一度クールダウンをしよう、とも。良きタイミングになったら再びアプローチしてみたらいい、というものだった。この木村の言葉に、どこかメンバーのことを重ねて聞いてしまいそうになる。


 一方、『ShinTsuyo POWER SPLASH』で「Fly」を選曲したのは草なぎ剛だった。直前まで会話されていたのは、香取が青森で見た流れ星のこと。「じゃ、(流す曲は)Flyじゃないですか?」という草なぎは、きっと歌詞の一部を汲み取って選曲したのだろう。だが、この短期間に、同じ曲を頭に浮かべていたことそのものに、長年苦楽を共にしてきたメンバーならではの絆を感じてならない。


 稲垣吾郎がパーソナリティを担当する『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)でも、メンバーとのつながりを感じさせるトークが繰り広げられる。6月14日放送回では、かつてのメンバーである森且行の話題が、そして6月7日放送回ではSMAP主演で実写映画化した『シュート!』の思い出話も飛び出した。別々の道を歩むことも寂しいが、最も辛いのはかつての思い出までなかったように振る舞われてしまうことだ。こうしてナチュラルに昔話をしてくれる稲垣の存在は、多くのSMAPファンを救っているだろう。


 また、6月10日の『中居正広のON&ON AIR』(ニッポン放送)では、「神様ポイント」の話題に。中居は誰も見ていなくても、自分が車で道を譲るなど誰かに優しくしたときに、心の中でポイントをためているのだという。「そうしないと優しくなれないから」その心がけこそまさにどんなに苦しい場面でも食いしばって立ち続けてきた、5人全員に通じるものに思えた。


 それぞれのメンバーがどんな思いを抱えて、どんなビジョンを描いているのか……まだ私たちにはわからない。だが、彼らが新たなステージに翔び立とうとしていることは確か。今はただ5人の決断を優しく見守り、“神様ポイント”を貯めながら応援していきたい。(佐藤結衣)