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東京で相次ぐ「コルク狩り」の背景 「ヤンキーにとってコルク半はステータス。よそ者がかぶっていると許せない」

2017年06月20日 14:52  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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東京・足立区で、「コルク半」と呼ばれるヘルメットをかぶった人に言いがかりをつけて暴行を行う「コルク狩り」が発生し、ネット上が騒然としている。

TBSの報道によると、逮捕されたのは東京都足立区に住む無職の少女(17)ととび職の少年(17)。区内の公園で男性(20)に対して「足立のルールではコルクをかぶるとタダではすまない」と言いがかりをつけ、煙草の火を頬に押し付けるなどをした上でヘルメットや原付バイクを脅し取った疑いが持たれているという。

「コルク半」とは野球帽型のヘルメットのこと。以前は緩衝材にコルクが使用されていたため、今でもその名称が使われている。

「誰に許可を取ってコルクを被っているんだ。大田区ではだめだ」

「コルク狩り」とは耳慣れない言葉だが、過去にも都内で同様の事件が起きている。テレビ朝日の報道によると、2013年には昭島市でやはりコルク半をかぶった少年を殴り、車に乗せて連れまわした無職の男4人が逮捕されている。容疑者らは最初、原付バイクに乗った少年を車で追いかけ、

「昭島市でコルクをかぶれるのは仲間だけだ」

とナイフを突きつけて脅したという。また産経新聞の記事によると同年、大田区でも少年ら3人が、同ヘルメットを被った少年ら2人に

「誰に許可を取ってコルクを被っているんだ。地元じゃいいかもしれないが、大田区ではだめだ」

などと因縁をつけ、バイクやヘルメットを脅し取っている。2016年にも豊島区で同様の事件が発生しており、少年らが「お前ら、ここ誰の道だよ」と脅したという。

いずれのケースでも加害者たちは16~20歳と若く、「誰に許可を取ってコルクを被っているんだ」という因縁を付けてている、という共通点がある。

ヤンキー文化の中で受け継がれる「コルクの半ヘル」愛

少年らはなぜ「コルク半」に執着するのだろうか。キャリコネニュースの取材に都内のバイク用品店に勤務する男性は「暴走族やヤンキーはこのタイプのヘルメットが伝統的に好きなんですよね」と話す。ヤンキー少年としては、「先輩がコルク半を被っていてカッコよかったので、いつかは自分も」という思いがあるという。

また通常のヘルメットは安いもので3000円から購入できる。一方、コルク製は1万円を超えるものが多く、扱っている店舗も限られている。「バイクの上に置いて放置するとすぐ盗られる」というほどで、コルクの半ヘルを被ることは一種のステータスになっているのだそうだ。

「仲間意識や縄張り意識が強いため、中々買えないコルク半を知らない人がかぶってたら『調子乗ってんじゃねえぞ』ってなるんじゃないでしょうか。周りに知り合いが多い土地なら盗られたり狙われたりする心配はないと思います」

また、あるバイク用品業界関係者は「コルク半は一般の若者からはカッコ悪いと不人気です。買うのは暴走族やヤンキーと思わしき人が多いですね」と話す。19日、足立区で「コルク狩り」があったことについて、

「えっ昨日そんな事件があったんですか? 昔はグループとかチームが多かったからよくあったみたいですけど……最近でもあるんですね」

と驚いていた。