今季マクラーレン・ホンダから初のF1フル参戦を開始したストフェル・バンドーンは、開幕以来、困難な状況が続いている。ケビン・マグヌッセンは、彼が「幸せな状態ではない」と言う。
バンドーンはジェンソン・バトンの後任として、今シーズンはリザーブからレギュラードライバーへと昇格したが、これまでのところチームメイトのフェルナンド・アロンソ相手に苦戦を強いられている。
アロンソは開幕からの4戦すべてでQ2に進出し、母国スペインGPでは予選7位を獲得。一方のバンドーンは開幕からの5戦でQ1敗退が続き、予選タイムでは平均してアロンソに0.586秒の差をつけられている。
バンドーンはF4、フォーミュラ・ルノー2.0、GP2とシングルシーターのジュニアカテゴリーでタイトル獲得経験がある。マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、このときのドライビングスタイルに固執したことが、バンドーンの妨げになっていると考えている。
マグヌッセンはバンドーンと同時期にマクラーレンのジュニアプログラムに参加しており、2013年にはフォーミュラ・ルノー3.5のタイトル争いでバンドーンを打ち負かした。2014年にバトンのチームメイトとしてマクラーレンに1年間在籍した経験を持つ彼は、バンドーンの苦戦に驚いていると言う。
「なぜ彼が苦戦しているのかわからないよ。彼が幸せな状態でないことは明らかだ。でなければ、フェルナンドに0.5秒もの遅れをとるはずがない。彼はとても良い走りができると確信していたから、少し驚いている」
「僕なら説明できるかもしれない。彼もまた、F1で最高と呼ばれるドライバーと戦うという、非常に良いチャンスを得ている。彼本来の実力を証明する機会を得たんだ」
「彼が良いドライバーで、彼にならできることを僕は知っている。けれども何か異なる理由で苦戦していて、とても厳しい状況に立たされているんだ」
「長期契約でレースに集中できる」とマグヌッセン
混乱に満ちたデビューシーズンを過ごしたマグヌッセンは、4年間のキャリアで3チーム目となるハースでの現状に満足している。マクラーレンとルノーにはそれぞれ1シーズンずつしか在籍しなかったが、ハースとは複数年契約を結んでおり、今後成長を遂げていくうえでの確固とした基盤を得た。
マクラーレンとルノーとは契約期間の関係上、マグヌッセンの去就が常に話題に上がっていたが、彼は現状を以下のように話した。
「来シーズンはシートを失うのではないかなんて、ネガティブな話をしなくてすむのがいいね。レースだけに集中し、期待を込めた前向な気持ちで臨める」
「来シーズンを楽しみにしているし、期待以上の成果をあげることにこだわりすぎず、目標を設定していきたい。レースを楽しみつつ、ベストを尽くせる。いまの状況にはとても満足しているよ」