6月17~18日に決勝レースが行われた第85回ル・マン24時間耐久レースで総合3位表彰台を獲得したLMP2クラスのチーム、ヴァイヨン・レベリオンの13号車オレカ07・ギブソンがレース後、失格処分となった。
ネルソン・ピケJr.、デビッド・ハイネマイヤー-ハンソン、マティアス・ベッシェがドライブした13号車オレカは、LMP1クラスのトヨタとポルシェのマシンがトラブルやアクシデントによって相次いで上位から姿を消すなか、LMP2クラス首位のジャッキー・チェンDCレーシング、38号車オレカ07・ギブソン(ホー-ピン・タン/トーマス・ローレント/オリバー・ジャービス)に次ぐクラス2位、総合3位でチェッカーを受けている。
しかしレース後、スチュワードは「レース中にホモロゲート登録がなされていない違法なパーツを使用した」としてチームに失格裁定を言い渡した。これにより13号車はレースリザルトから抹消されている。
13号車オレカはレース中、エンジンのスターターに問題を抱えており、ピットストップのたびにエンジンフードカバーを開け、スターターに衝撃を与えてエンジンを始動させなければならない状態にあった。
そこでチームは、スターターが置かれるマシン右側のリヤカウルに小さな穴を開けて、カウルを外すことなくスターターに直接アクセスできる加工を施していた。
WEC世界耐久選手権のレギュレーションでは、クラッシュやアクシデントによるダメージやその他の原因によるものを除き、各パーツを公認時と同じ状態で使用することが義務付けられているが、今回、チームが行なったカウルの加工はこの規則に抵触するものだった。
スチュワードはこの件について「技術審査員が当件をビデオで発見し、その後
チームにも確認をとった」という。
13号車オレカの失格処分によって総合3位以下の順位が繰り上がることとなり、総合4位/LMP2クラス3位でチェッカーを受けたジャッキー・チェンDCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン(アレックス・ブランドル/トリスタン・ゴメンディ/デビッド・チェン)が総合3位表彰台を獲得。クラス優勝を飾った僚友38号車オレカとワン・ツー・フィニッシュを飾ることとなった。
LMP2クラス3位にはシグナテック・アルピーヌ・マットムートの35号車アルピーヌA470(ネルソン・パンチアティシ/ピエール・ラグ/アンドレ・ネグラオ)が入り、総合9位で完走を果たしたTOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴)は総合8位となった。