SYNTIUM LMcorsa RC F GT3をドライブする飯田章 LMcorsa レースレポート:SUPER GT公式テスト・スポーツランドSUGO
LM corsa Super GT, Racing Reports 2017 Vol.6
Official Test:SPORTS LAND SUGO. 2017/06/17-18
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今シーズンのAUTOBACS SUPER GTシリーズは、岡山国際サーキットで4月9日(日)に幕を開け、第2戦富士スピードウェイ、第3戦オートポリスと全8戦中3戦を終えている。LMcorsaは、今シーズン新型車両「SYNTIUM LMcorsa RC F GT3」を投入し熱い戦いを繰り広げ、3戦連続で完走を果たして第2戦では8位入賞を果たした。
これによりチームは、レース参戦のシード権でCグループのチームのうち第1戦と第2戦の両大会において最多のチームポイントを獲得したチームとして、7月22、23日にスポーツランドSUGOで開催される第4戦の出場権利を得ている。
そして、新型車両のデータを着実に蓄積しながら調子を上げてきているチームは、第4戦の舞台となるスポーツランドSUGOで6月17、18日に開催された公式テストに参加した。
チームは、今回の公式テスト前には6月6、7日に鈴鹿サーキットで開催されたタイヤテストにも参加し、タイヤとのマッチングで好感触を得ていい状態でSUGO入りしていた。テストは、各日2セッションの計4セッションで行われ、セッション1と3が2時間、セッション2と4が3時間となる。
初日の17日・土曜日から多くのSUPER GTファンがスポーツランドSUGOを訪れ、大観衆の前で公式テストは午前9時にスタート。
セッション1のドライブを担当したのは、鈴鹿のタイヤテストでもドライブした飯田章。テストプログラムをこなしながら、ピットイン・アウトを繰り返しながら周回をこなしていくが、5回の赤旗中断があったため予定通りにいかなかった部分もあった。最終的に飯田は46周を走行し、37周目にマークした1分19秒872がベストタイムとなった。
午後のセッション2をメインで担当したのは吉本大樹。吉本は、鈴鹿でのタイヤテストに参加していないため、この走行が第3戦から約1カ月ぶりのドライブとなる。吉本はタイヤテストを中心に、マシンのさまざまな部分の確認作業を行っていき計64周を走行し、32周目の1分20秒002がベストタイムとなった。
その後、再び飯田がドライブを担当してブレーキテストなどを行っていき、チームは公式テスト初日のプログラムを終えた。
翌18日の日曜日は、朝からサーキット上空には厚い雲が広がり、長袖が必要となる肌寒い1日となる。そして、この日の午前中もドライブを担当したのは飯田で、前日に引き続きテストプログラムをこなしていく。
ただ、このセッション3も赤旗中断が3回ありプログラムは若干押し気味で進められた中で、飯田は43周を走行してベストタイムは33周目に記録した1分19秒168。
午後のセッション4は、今回のテストの総仕上げとなるためチームはミニレースシミュレーションを行い、両ドライバーともロングランを敢行。
しかし、吉本がドライブを担当したときに赤旗中断が発生し、途中で途切れる場面もあったが順調に周回を重ねる。最終的に飯田が53周、吉本が56周と2人の周回数は計109周。タイヤも数種類をテストすることができるなど、チームは中盤戦に向けて有意義なテストとなった。
この結果にチームの雰囲気は明るく、ムードもこれまで以上に良くなっている。
第4戦SUGOまでに、公式テストとタイヤテストとあと2回テストもあるため、シリーズ中盤戦に向けてチームはさらにマシンを煮詰めていくことになる。
なお次回の公式テストは、鈴鹿サーキットで6月30日(金)、7月1日(土)に開催される。
ドライバー/飯田章
前回の鈴鹿でのタイヤテストも含め、レース中盤戦に向けていいデータは取れています。2日目にはロングランも行えたことで、タイヤの方向性もしっかり見えてきているので、次につながるテストだったと思います。かなり良くなっているので残りのテストでも走り込み、7月にここSUGOで行われるレースから巻き返しを図っていきたいですね。
ドライバー/吉本大樹
鈴鹿で飯田選手が乗ったときの感触が良かったと聞いていたので、今回のテストで走れることを楽しみにしていました。実際に走ってみて、着実に進化していることを実感できましたね。ロングランもタイヤテストも十分にできましたが、まだまだやりたいことは山のようにあります。次のテストでは、細かい部分を詰めていくための環境作りにチカラを注いでいきたいと思います。
監督/小藤純一
今回のテストはいい感じでメニューをこなすことができ、かなり有意義な2日間になりました。本番の距離の2/3レースシミュレーションもでき、ドライバーだけでなくメカニック側のシミュレーションも行え、タイヤもレース想定で試すことができました。今回は予選を想定したタイムアタック的なことはしていないので、タイムよりもテスト内容を重視しましたので。いまは大きい事柄を決めていくためのテストであり、残り2回のテストで最終的に細かい部分を仕上げていきます。確実にいい方向へ進化していますが、ライバルも同じように進化しているはずなので、残るテストも気を引き締めて望みたいと思います。