ルノーF1マネジングディレクターのシリル・アビテブールは、チームのニコ・ヒュルケンベルグに対する依存は「不公平とも言える状態」であり、ジョリオン・パーマーもポイント獲得に貢献すべきだと述べた。
パーマーはルノーでのF1シーズン2年目を迎えるが、今季はまだポイントを獲得できていない。一方、今年からのチームメイトであるニコ・ヒュルケンベルグは過去5戦中4戦でトップ10フィニッシュを果たしている。
そのためパーマーの来年以降のシートについての憶測も飛び交っている。とはいえ、彼はモナコGPとカナダGPで11位フィニッシュをしており、いくらかプレッシャーを解消してはいる。
パーマーは交代させられる心配はないのか、またチームは後任となる彼より優秀なドライバーの心当たりがあるのか尋ねられたアビテブールは次のように答えた。「F1で安泰な立場の者など誰もいない」
「F1という環境では、誰も『私は安泰だ』と大声で言える者はいないだろう」
「ふたつほど論点がある。ジョー(パーマー)と2人目のドライバーだ」
「今、私が集中しているのはジョーだ。ジョーは結果を出さなければいけない」
「その後何が起こるか、もっと言えば誰が後任になる可能性があるかというような、詳しいことは話したくない。現在の論点ではまったくないからだ」
「事実なのは、ジョーはポイントを獲得できるマシンを与えられており、ポイントを獲得しなければならない。以上だ」
「現時点の状況は、ニコが多くのことを負わなければならず、彼にとってアンフェアだ」
「チームがニコにかなり依存していることは間違いない」
「ニコが(モナコGPのような)ギヤボックスの故障など、彼のコントロールの及ばない理由でリタイアしてしまうと、他にも完走できずに終わったマシンがたくさんあったにもかかわらず、我々はポイントを獲得してレースを終えるのが難しくなってしまう」
これまでのところ、ルノーの18ポイントはすべてヒュルケンベルグが獲得してきている。ルノーF1チームは、29ポイントのトロロッソ、22ポイントのウイリアムズ、15ポイントのハースを含む、競争の激しい中位グループにいる。
アビテブールは、F1シーズンが夏休みに入る前の7月30日に行われるハンガリーGPまでに、ルノーのコンストラクターズ選手権の順位を現在の7位から6位に上げることを望んでいる。
「これは挑戦だ」とアビテブール。「ニコとジョーの間には予選でも決勝でも非常に大きなギャップが開いているのを目にしている」
「我々はジョーと、どうしたらパフォーマンスを改善できるかについて定期的に議論を行っている」
アビテブールは、パーマーがシーズン序盤、ルノーRS17にトラブルが発生したため貴重な走行時間を失うという不運に見舞われていたことは認めている。
「まず我々は彼に問題なく最後までレースができる週末の環境をもたらす必要があった。モナコではそれを実現した」とアビテブールは語った。
「実現できたのはしばらくぶりのことだし、あの週末はジョーとチームの関係性においてはシーズンの再始動でもあったと私は考えている。彼がレースを改善して、願わくば結果をもたらせるような、適切なプラットフォームをチームはついに提供できたのだ」
「このプロセスによって、ジョーも選手権へ貢献できるポジションを得ることができるはずだ」