ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。カナダGP編です。
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カナダGPは、昔から人気のある開催地のひとつであり、モントリオール市もF1を心から歓迎してくれている。特にF1の新オーナーにとって初のカナダ訪問となった今年は、ここまで皆勤賞もので登場していたバーニー・エクレストンの姿も見当たらず、パドックはリラックスした楽しい雰囲気に満たされた。チェイス・ケアリーとシーン・ブラッチェスの母国、アメリカ合衆国にも近いということで、彼らが一段とくつろいだ気分でいられたことも無関係ではないかもしれない。
ブラッチェス氏は、今年復活したイカダレースにまで参加した。そう、20年ほど前までジル・ビルヌーブ・サーキットの伝統行事だった、あのチーム対抗イカダレースである。
ただ、今回は以前とは少々やり方が変わっていた。レッドブルが各チームに同一の「イカダキット」、つまり浮き代わりのプラスティック製容器や木の板など一式を提供したのだ。ともあれ、ライバルチーム同士が一緒に何か楽しいことをしようと考え、本当に久しぶりに意見が一致したという点だけでも、このイベントは大成功だったと言える。
そして、驚くなかれ、このイカダレースで優勝したのはマクラーレン・ホンダ・チームだった! 彼らが今年何かで勝つのは、おそらくこれが最初で最後に違いない。つい先日、フェルナンド・アロンソは「9月までに勝てるようになれば、来年もチームにとどまる」と言っていたが、はたしてこのイカダレースの結果はカウントされるのだろうか?
私には、とても彼が残留を望むとは思えない。カナダの決勝レースではポイント獲得を目指して走っていながら、またしてもエンジンが壊れてしまったからだ。例によってアロンソは怒り心頭に達していたが、それでもクルマを降りた後、応援してくれたファンにお礼を言おうと、近くのスタンド席を訪れてグローブを投げ入れるサービスをしてみせた。しかも、彼はレース中に全体で4番目に速いラップタイムも記録している。この男こそ、真の偉人に相違ない!
そして、カナダで最も笑えたチームラジオを提供したのも、やはりアロンソだった。何事かを彼に伝えたエンジニアに対して、彼は腹立たしげに「あのさ、もうちょっと役に立つ情報をくれよ」と答えたのだ。
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当然のことながら、地元カナダ出身のルーキー、ランス・ストロールは大いに注目を浴びた……。
大人の事情
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(Translation:Kenji Mizugaki)