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TOYOTA GAZOO Racing WEC第3戦ル・マン24時間 決勝12時間レポート

2017年06月18日 12:42  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

8号車トヨタTS050ハイブリッド
2017年6月18日 午前3時(現地時間)
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WEC第3戦 ル・マン24時間 決勝速報No.4
12時間経過。
TS050 HYBRID 7号車と#9号車が無念の戦線離脱
8号車は2時間の修復後にレース復帰。完走を目指す

 夜間走行に入るまでは1,2,4位を走行していたTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDだったが、午後11時前、8号車がフロントモーター周りのトラブルで長時間のピットイン。
 
 さらに深夜1時前、首位を快走していた7号車がクラッチトラブルでコース上にストップ。その直後に2位にポジションを上げた9号車も他車に追突され駆動系にダメージを負ってコース脇に車両を停めた。
 
 TOYOTA GAZOO Racingは、立て続けに起きたアクシデントにより、首位争いをしていた2台を一気に失うこととなってしまった。

TS050 HYBRID 7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザン)
10時間経過時点(小林可夢偉): 3位 154周
10時間15分リタイア(154周)

TS050 HYBRID 8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
10時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 54位 129周
11時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 52位 141周
12時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 46位 159周

TS050 HYBRID 9号車:(ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペス)
10時間経過時点(ニコラス・ラピエール): 2位 157周
10時間35分リタイア(160周)

 TS050 HYBRID 7号車は、首位を快走してレースが8時間に達しようとする直前、セーフティカー走行中にマイク・コンウェイから小林可夢偉にドライバーチェンジを行った。
 
 しかし、レースが再開されるとほぼ同時にクラッチトラブルに見舞われスローダウン。
 
 暗闇のなか、小林は何とかピットまで戻ろうとスロー走行を続けたが、その努力も及ばず、ポルシェカーブ出口で完全にストップ。前半戦を支配したレースから離脱することとなった。

 一方、9号車は、ニコラス・ラピエールが、首位と1周差の2位にポジションを上げていたが、#7号車がリタイアした直後に、第1コーナーで後方から追突されてコースオフ。
 
 コースへは復帰し、走行を続けたものの、追突の衝撃で左リアタイヤがバースト。ダメージは駆動系にも及んでおり、走行不能に陥り車両を停めた。わずか30分の間にTOYOTA GAZOO Racingは2台を失うこととなってしまった。

 8号車は、モーターとバッテリーの交換作業に約2時間を費やしてレースに復帰。
 
 首位から29周遅れながら、WECのシリーズポイント争いのために可能な限り上位でフィニッシュし、24時間レースを1mでも多く走りチェッカーを受けるべく、全力で最後まで諦めずに走り続ける。

小林可夢偉 (TS050 HYBRID 7号車)
 本当に悔しい。TS050 HYBRIDは絶好調で、我々は着実に後続との差を広げていました。セーフティカーが導入されたタイミングで給油のためのピットインを行い、セーフティカーが退出して再スタートが切られた直後、駆動力がかからない症状が発生してしまいました。何とかピットまで戻ろうと努力しましたが、不可能でした。このレースのためにハードワークを続け、これほど速いTS050 HYBRIDを仕上げてくれたチームスタッフの悲しみは察するに余り有るものです。

ニコラス・ラピエール (TS050 HYBRID 9号車)
 信じられません。ストレートの終わりで減速をした時にLMP2カーに追突された影響で、リアタイヤがバーストしてしまいました。追突したドライバーも驚いたと思いますが、追突は事実です。チームのためにも走り続けたかったのですが、ピットまで戻れず、本当に残念な気持ちで一杯です。