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澤圭太&加藤寛規、ル・マン24時間に挑む。「最後までしっかり走れれば」

2017年06月17日 20:22  AUTOSPORT web

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クリアウォーター・レーシングの澤圭太と加藤寛規
6月17日に決勝レースがスタートする第85回ル・マン24時間耐久レース。LM-GTE Amクラスには、クリアウォーター・レーシングから60号車のドライバーとして加藤寛規が、61号車のドライバーとして澤圭太がフェラーリ488 GTEをドライブしている。決勝を前日に控えた16日、ふたりに話を聞いた。

■2年目のル・マンで好成績を狙う澤
 これまでアジアを中心に活動してきたシンガポールのクリアウォーター・レーシングは、今季からWEC世界耐久選手権に参戦。澤はモック・ウェン・サン、マット・グリフィンとトリオを組み、WECにフル参戦。第1戦シルバーストンでクラス優勝、そして第2戦スパは3位と、好成績で第3戦ル・マンに臨んでいる。

 そんな澤が乗り込む61号車はクラス11番手からスタートすることになるが、今年2回目のル・マンとなる澤は「昨年はすべてが初めてだったので、自分の“思い”がすごくありましたが、今年は落ち着いてできていると思います。予選順位は想定よりも下になってしまいましたが、物事の進み方もすごくいいですね」という。

 クリアウォーターの強みは決勝にあり、澤も「決勝も長いので問題ないと思います」という。レース内容ももちろん気になるところではあるが、「ル・マンは日本でレースをしていたら絶対に味わえない雰囲気がありますよね。僕もアジアを中心に10年間戦っていましたが、やはりそれでも違う。1週間かけて戦う感じをはじめ、何もかもがスペシャルですね」とル・マンの雰囲気を楽しんでいる様子も見られた。

「今はル・マンに出るチャンスを得るのも大変ですからね。僕は昨年来たときは『最初で最後かもしれない』と思っていたくらいなので、今年出られたのはラッキーでもあります。決勝も最後まで走ればいいところまでいけると思うので、頑張ります!」

■9年ぶりのル・マンを戦う加藤
 一方、「ル・マンに来るのは9年ぶりですね」というのは、60号車をドライブし、決勝はクラス12番手からスタートする加藤だ。これまでBMW V12 LMやパノスLMP、童夢S101などさまざまなマシンをドライブしていたが、なんとル・マンに出場するのは9年ぶりだという。

「コース自体はそれほど変わっていなくて、安全な方になっているので、走りにくくはないのですが、クルマが変わっている方が大きいですね」と加藤は言う。

「前に出ていたときはプロトタイプで、今はGT。プロトではコーナーではないけど、GTではコーナーになっているようなところがありましたね。『あれ? ここはいけなかったっけ!?』ってオーバーシュートばかりしていました(笑)」

 LM-GTE Amは必ずジェントルマンドライバーが乗らなければならず、その速さで最終的に差が出るのが特徴だ。「僕たちは初めてのドライバーもいるし、あくまで最後までしっかり走りきろうと思っています」と加藤はレースに向けて語った。

「LM-GTE Amもファクトリードライバーが乗っていたりするので激しい戦いなんですが、チームはけっこうゆったりとした雰囲気ですね。でも、楽しんでやっている雰囲気があるので、そこは見習わなければならないですね。『年に一度のビッグイベントなので楽しもう』という思いがあります」

 ちなみにこのル・マン24時間の週末は、スポーツランドSUGOでスーパーGTの公式テストが行われている。加藤はシンティアム・アップル・ロータスのステアリングを高橋一穂に任せル・マンにやってきた。

「正直、またここに出られるとは思っていなかったですから、話が来たときはすぐに『行きたい!』と言ったんですが、高橋さんも『行ってきてよ!』と快く送り出してくれました」

「SUGOテストは高橋さんにお任せして、いい練習になっているのではないでしょうか(笑)」