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「アロンソの逆境での強さは驚異的」:英誌全ドライバー評価 F1カナダGP編

2017年06月17日 08:42  AUTOSPORT web

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2017年F1第7戦カナダGP金曜 フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)、トラブルでマシンをとめる
英AUTOSPORTが2017年F1第7戦カナダGPを戦った全ドライバーを10点満点で評価、今回は満点がふたりに与えられた。

 この企画は英AUTOSPORTが数年前から行っているもので、各グランプリにおいてすべてのドライバーに関して主に予選と決勝のパフォーマンスを評価し、さまざまなソースから得た情報を加味して採点する。

■セナの記録に並ぶのにふさわしい、非の打ちどころのないハミルトンのPPラップ

 今回10点と評価されたのは、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンだった。

 メルセデスのハミルトンは、ポールポジションから全ラップをリードし、ファステストラップも記録という、完全勝利を成し遂げた。

「メルセデスは今回はウルトラソフトタイヤにさほど苦しむことなく、特にハミルトンの方はうまく使えていた。その結果、最高の予選ラップが生み出された」と短評には記されている。

「この予選ラップは10点満点で10点の出来だった。ミスが全くなく、F1ポールポジション回数において2位のアイルトン・セナと並ぶ65回目のポールにふさわしいものだった」

「決勝中、ハミルトンはフェルスタッペンからのチャレンジを受けたシーンもあったが、それを除けばセバスチャン・ベッテルが後退したために、きわめてスムーズな決勝となった。苦しんだモナコから、得意なカナダで見事な挽回を果たした」

 フェルスタッペンは5番グリッドから目の覚めるようなスタートを決めて2番手に順位を上げたが、パワーユニットトラブルのためにリタイアに終わった。

「レッドブルは改善しつつあるが、ルノーエンジンにはQ3で上位争いできる力は全くない。つまり5位が現実的に望める最大の結果だった」

「フェルスタッペンは決勝で10周しか走行しなかったが、短いながらも素晴らしい走りを見せた。スタート直後、大胆にベッテルを抜いた際、タイヤがパンクしなかったのはツイていたが、その幸運に値するパフォーマンスだった。しかしバッテリーのトラブルによって、残酷にも表彰台のチャンスを奪われた」


■チームオーダー騒動はオコン急成長の証

 続く9点の評価を受けたのは、ベッテル、エステバン・オコン、ニコ・ヒュルケンベルグ、フェルナンド・アロンソだった。

 フェラーリのベッテルは2番グリッドを獲得したものの、フェルスタッペンに接触された影響で大きく遅れをとった。そこから挽回をはかったベッテルは最終的に4位に浮上した。

「予選最後のランでのターン2でロスしたことで0.5点減点、スタートの蹴りだしがあまりよくなかったことで0.5点減点。しかし決勝中の追い上げは素晴らしかった」

 フォース・インディアのオコンは、9番グリッドからスタートし6位でフィニッシュした。

「ジル・ビルヌーブ・サーキットを初めて走ったオコンだが、とんでもなく素晴らしいパフォーマンスを見せた。プラクティスではセルジオ・ペレスより速く、予選でもペレスのタイムに肉薄した」

「3位を走るダニエル・リカルドに挑戦して表彰台をゲットするには、前を行くペレスの協力が必要だったが、ペレスはそれを拒否。それがチームオーダー論争を呼んだが、それはオコンが急速に成長してきている証といえるだろう」
     
 ルノーのヒュルケンベルグは、10番グリッドからスタートし、8位入賞を果たした。

「ルノーが得意としないコースでヒュルケンベルグは予選Q3に進出。この予選ラップを自身で『10点中9点から9.5点』と評した」
「レースでも強力な走りを見せ、終盤にはトラブルを抱えたキミ・ライコネンを追いかけた」


■マクラーレン・ホンダ:過酷な状況のなか、アロンソは予選・決勝ともに見事な走り

 マクラーレン・ホンダのアロンソは予選で12位を獲得、決勝終盤は10位を走行、チームにとって今季初入賞かと思われたが、パワーユニットのトラブルが発生、マシンを止める結果となった(16位完走扱い)。アロンソのパフォーマンスには9点の評価が与えられた。

「金曜の走行時間の大部分をトラブルで失い、パワーもドライバビリティも劣っているマクラーレン・ホンダに乗りながら、アロンソは予選Q2に進出し、12位をつかんだ。マクラーレンが言うように、アロンソは超自然的な力を発揮しており、決勝でも改めてその力を見せつけた」

「ターン3のカオスをうまくかわし、バトルをするには『危険なほどの』スピード差がありながら、それに見事に対処して走った。目の前の1ポイントに値する働きをしていたにもかかわらず、残酷にもエンジントラブルによってあと一歩のところでそれをつかむことができなかった」

 チームメイトのストフェル・バンドーンは、16番グリッドからスタートし、14位でフィニッシュした。バンドーンへの評価は5点と厳しいものだった。

「モナコで向上を見せたバンドーンだが、カナダでは再び前の状態に戻ってしまったようだ。バンドーンはタイヤをうまく機能させることに苦労し、マシンを信頼して自信を持って走ることができず、またもやQ1で敗退した」
    
「決勝のスタートはよかったが、燃費の悪さにアロンソほどうまく対応できず、ザウバーのマーカス・エリクソンに負ける結果となった」


■2017年第7戦カナダGPの各ドライバーの点数は

 英AUTOSPORTによる2017年第7戦カナダGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。

■メルセデス
ルイス・ハミルトン:10点
バルテリ・ボッタス:7点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:8点
マックス・フェルスタッペン:10点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:9点
キミ・ライコネン:6点
■フォース・インディア
セルジオ・ペレス:8点
エステバン・オコン:9点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:7点
ランス・ストロール:7点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:9点
ストフェル・バンドーン:5点
■トロロッソ
カルロス・サインツJr.:5点
ダニール・クビアト:7点
■ハース
ロマン・グロージャン:7点
ケビン・マグヌッセン:6点
■ルノー
ニコ・ヒュルケンベルグ:9点
ジョリオン・パーマー:5点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:8点
パスカル・ウェーレイン:5点