メルセデスF1はカナダGPで圧倒的なワンツーフィニッシュを飾ったが、『W08』のパフォーマンスにはまだ“疑問符”があることを認めた。
モナコGPでの苦戦の後、カナダGPに向けてのファクトリーでの努力が優れたセットアップを引き出し、ルイス・ハミルトンは今季最高のパフォーマンスでポールポジションからの優勝を成し遂げた。
チームメイトのバルテリ・ボッタスが2位でフィニッシュし、メルセデスはコンストラクターズ選手権首位を奪還。ハミルトンはレース序盤にフロントウイングへダメージを負って遅れをとった首位のセバスチャン・ベッテルに、12ポイント差に迫った。
しかしながらメルセデス・モータースポーツのトップを務めるトト・ウォルフは、土曜日の予選での走行を例にあげつつ、2017年型マシンが持つ問題がすべて解消したわけではないことを認めた。
「本当に同じようなセッティングだったにもかかわらず、ルイスのグリップレベルは予選の間に増加し、バルテリのマシンでは減少した。明確な理由はわからない」
「これがいまだに解明できない疑問点であり、この点を解決していかなければならない」
ボッタスの最終的な予選タイムはハミルトンから0.718秒遅れとなり、両者の間には今シーズン最大のタイム差が生じていた。
今月末に行われる次戦アゼルバイジャンGPは、狭く曲がりくねった特性を持つ市街地コースである。昨シーズンはチャンピオンを獲得したニコ・ロズベルグが優勝しているが、ホイールベースの長いメルセデスのマシンにとっては理想的なコースではなく、チームは厳しい展開になる可能性があると考えている。
ウォルフはカナダGPでの好調の原因を調査し、再度フェラーリに挑戦したいと話している。
「またしても難しいシチュエーションになるだろう。昨年は難しいレースだった。状況はまったく異なるが、現状では常に冷静を保ち、1戦ずつポイントを獲得していく必要がある」
「良い週末もあれば、非常にうまくいく週末もあるし、はたまた奇妙で不調な週末だってあるだろう。我々はモンテカルロが不調な週末だったし、フェラーリはカナダがそうだった。それを少なくしていくだけだ」
「より多くデータを集めれば、より理解が深まる。そのことは昨シーズンも見てきたし、年を追うごとに我々は強さを増し、成長してきている。これは直感に頼るようなものではなく、科学的な仕事なんだ」
「走った距離のすべてがパフォーマンス向上につながっているのだと思う。それがチャンピオン争いをするに足るものであることを願っている」