ドゥカティのCEOを務めるクラウディオ・ドメニカリはアンドレア・ドビジオーゾによる2戦連続の優勝は、数カ月前には「思いも寄らぬことだった」と認めている。
ドゥカティは2016年シーズンの2度の優勝で、6年弱にわたる勝利のないシーズンにピリオドを打った。
ヤマハやホンダに挑むため、十分な改善をマシンに施すことを期待して始まった2017年シーズンだが、そのスタートは一筋縄ではいかないものだった。
第6戦イタリアGPの前、ドゥカティの表彰台獲得は開幕戦カタールGPでドビジオーゾが1回、第4戦スペインGPでホルヘ・ロレンソが1回の計2回のみで、開幕から5戦はフロントロウからスタートすることはなかった。
イタリアGPでドビジオーゾは予選3位、決勝では優勝を飾った。次戦カタルーニャGPでも続けて優勝、ロレンソもフロントロウからスタートして4位でフィニッシュした。
「イタリアGPでの驚くべき勝利のほんの一週間後にまた表彰台の最上段に立てたとことで、我々の仕事は非常にうまくいっていることが分かった」とドメニカリ。
「これで選手権獲得にさらに近づいたわけだ」
「数カ月前はこうしたことすべてが思いも寄らぬことだった。たとえ難しい期間を過ごしている時でも、頭を冷静に保つことが極めて重要だった」
ドビジオーゾは現在ポイントリーダーであるヤマハのマーベリック・ビニャーレスに7ポイント差まで迫っているが、チャンピオン獲得への期待は膨らませないようにしており、2回の優勝は「現実を反映している訳ではない」と語っている。
ドビジオーゾは、ドゥカティはいまだに中速コーナーでグリップが不足していると考えており、6月にムジェロとバルセロナの両方でテストを行ったことを強調した。
ドビジオーゾは昨年のカタルーニャGPを7位でフィニッシュしており、優勝したバレンティーノ・ロッシとは40秒以上の差があった。ゼネラルマネージャーのルイジ・ダリーニャは今シーズンは追加の準備が効を奏したと考えている。
「バルセロナのコースは我々にとって厳しいものだと分かっていた」とダリーニャは語る。
「昨シーズン我々は非常に苦戦したが、それが最近2日間のテストを行うようになった理由だ。非常に役に立つし、マシンを良い状態に持っていける」
追い上げるロレンソ
ロレンソはカタルーニャGPでの最初の5周は首位を走行していた。しかしそこから1周半の間に順位が入れ替わり、6位まで順位を落としてしまった。
ロレンソはさらに8位まで落ちたが、最後の7周で4位まで挽回。ドビジオーゾから遅れること9秒608の差でフィニッシュした。
「初めてトップから10秒以内でフィニッシュできたから良いレースだった。でも僕は本当は優勝したいし、4位は僕が望む順位ではない」とロレンソ。
「僕たちは追い上げてきているし、僕のポテンシャルを解放するのにもっと自然なマシンが必要だ」
「僕は今、良いレースをしていて、決してこれが例外というわけではない」