ル・マン24時間レースLMP1-水曜日の最初の予選
決勝へ向けた準備で順調な改善
ドイツ.ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のLMPチームは、水曜日の夜遅くに行われたル・マン24時間レースの最初の予選を3番手と5番手で終えました。チームは、6月4日のテストデーに比べてラップタイムについて大きな進歩を遂げています。
約900PSのパワフルなポルシェ919ハイブリッドを駆るドライバーたちは、深夜におよぶ予選で力強い走りを見せました。30度の気温にもかかわらず、同じ日の早い時間に行われたフリー走行でも好調でした。
ル・マン・プロトタイプ2号車のステアリングを握るのは、アール・バンバー(ニュージーランド)/ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)組です。ベルンハルトは3分19秒170のタイムで3番手に入りました。
1号車はニール・ジャニ(スイス)/アンドレ・ロッテラー(ドイツ)/ニック・タンディ(イギリス)組がシェアします。3人の中で最速だった昨年覇者のジャニは、トラフィックに見舞われたにもかかわらず13.629kmのコースを3分21秒165のラップタイムで走り5番手に入りました。
ジャニが2年前に打ち立てた3分16秒877の予選記録は現在まで破られていません。
セッションが20分短縮されたにもかかわらず、6人のポルシェLMPワークスドライバーは全員、規定の5周を完走しました。ポルシェは、世界でもっとも過酷な耐久レースにタイトル防衛者として出場します。
午後4時から午後8時まで行われたフリープラクティスでは、ニール・ジャニが1号車で3分20秒362の総合最速ラップタイムをマークしました。2号車はアール・バンバーがチーム最速の3分21秒687で3番手に入りました。
15日の木曜日は、午後7時から午後9時まで2回目の予選、午後10時から深夜0時まで最終予選が予定されています。天気予報は安定した条件を示しており、そのために最後までエキサイティングなセッションが予想されます。
コメント
チーム監督のアンドレアス・ザイドル
「最初に、ポルシェ919ハイブリッドをさらに改善するためにテストデー以来、懸命に頑張ってくれたチームの皆に感謝します。今日は暑さのなか、見事な活躍をしてくれたおかげでレースウィークに好スタートを切ることができました」
「水曜日のプログラムを問題なく完了し、レースのセットアップについて多くのことを学びました。2台の車は高い外気温にもかかわらず素晴しい走りを見せています」
「セッションの始めに両方の車で初めてフルタンクに近い状態でのアタックラップを試みました。特にニールについてはクリアラップではなかったので、その後はレースの準備を継続しました」
ポルシェ919ハイブリッド1号車のドライバー
ニール・ジャニ(33歳、スイス)
「セッションの開始時にアタックを試みましたが、トラフィックに巻き込まれたおかげでタイムに大きな影響が出ました。しかし車は好調で、トヨタとの差を縮めることができました」
アンドレ・ロッテラー(35歳、ドイツ)
「車のバランスが今一歩なので対処するつもりです。グリッドポジションについては、今日はニールがトラフィックに遭遇する不運こそありましたが、明日はグリッドポジションを取り戻せると思います」
ニック・タンディ(32歳、イギリス)
「ナイトセッションは、サーキットの周りを浮遊する大量の刈り草とホコリが印象的でした。ル・マンで初めての経験です。3名のドライバー全員ともテストデーから前進していますが、まだやるべきことはあります」
ポルシェ919ハイブリッド2号車のドライバー
アール・バンバー(26歳、ニュージーランド)
「ナイトセッションの規定の周回を完了して、車はかなりバランスが取れていると感じました。テストデーから間違いなく前進しています。全員が頑張ってあと10分の1秒を削る必要があります」
ティモ・ベルンハルト(36歳、ドイツ)
「セッション開始直後から良いラップタイムを試みて、かなり近づくことができました。しかし、サーキットに60台の車はかなり厳しい状況です。重要なことはペースを守ることです。気温の面ではコースは良好な状態ですが、おそらくさらにクリーンになって高速になると思います」
ブレンドン・ハートレー(27歳、ニュージーランド)
「車にはとても満足しています。チームはテストデー以来素晴らしい仕事をしてきました。ティモ(・ベルンハルト)はアタックラップ時のトラフィックが少し残念でしたが、この調子でいけば本戦は大丈夫です」
GTクラス予選1回目-FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦
ル・マン24時間レース/フランス
24時間レースで初めての対決
ドイツ.ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のポルシェGTチームにとって、第85回ル・マン24時間レースの水曜日の予選セッションにおける最大の焦点は、決勝レースへの準備を整えることでした。
25度を越える気温で行われた1時間40分のナイトセッションでは、最速のポルシェ911 RSR(#92)がGTEプロクラスで6番目のタイムを記録しました。
ミハエル・クリステンセン(デンマーク)、ケビン・エストル(フランス)、およびディルク・ウェルナー(ドイツ)らは、スポーツカーのアイコンとして知られるポルシェ911の第7世代をベースにした最高出力510PSを発生するレーシングカーのコクピットを共有します。
このマシンは、フランスの伝統ある長距離レースに初めて挑みます。ポルシェGTチームが走らせる2台目の911 RSR(#91)は、リヒャルト・リエツ(オーストリア)/フレデリック・マコウィッキ(フランス)/パトリック・ピレ(フランス)組をドライバーとして、24時間レースの13.629kmのサーキットにおける1回目の予選で8番目に速いタイムを記録しました。
GTEアマクラスでもっとも速いポルシェ911 RSRは、2番手に入ったカスタマーチームのデンプシー・プロトン・レーシングのマシンです。そのドライバーのひとりが、ポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)です。
木曜日の19時~21時と22時~24時に2回目の予選セッションが組まれています。決勝レースは土曜日の15時(現地時間)にスタートします。
予選1回目についてのコメント
モータースポーツおよびGTカー担当副社長のフランク=シュテッフェン・バリサー博士
「今日は初めての体験にすぎません。明日の夜、コースのグリップがもっと良くなれば、さらに速いラップタイムが期待できます。開始早々からレベルが非常に高かったので、私達はもっと頑張らなくてはならないでしょう。しかし、私達は自信を持っています」
「GTEアマクラスの状況は、もう少し良さそうです。最速のポルシェが2番手に入ったのは、順調な滑り出しでした」
リヒャルト・リエツ(911 RSR #91)
「1周目は良かったのですが、その後に激しい混雑とスローゾーンに遭遇したため、より速いタイムを刻むチャンスがありませんでした。それでもまだ明日があります。マシンのセットアップは最初から良好でしたが、まだ改良の余地はあります」
フレデリック・マコウィッキ(911 RSR #91)
「今日は、条件が目まぐるしく変わりました。午後のフリー走行の間、サーキットは信じられないほど暑く、夜の予選の間に大幅に冷えました」
「このため、タイヤに関して重要な情報を得ることができ、このデータに基づいて車両に変更を加えるつもりです。それ以外にも、ライバル達がどのくらいの性能なのかが初めてわかりました。全体的に、私達はとても満足しています」
パトリック・ピレ(911 RSR #91)
「ライバル達との初めての比較でした。最初にしてはそれほど悪くありませんでしたが、まだマシンについてやるべきことが残っています。明日に実施してみたいアイデアがいくつかあるので、それに集中するつもりです」
ミハエル・クリステンセン(911 RSR #92)
「コースがあまり混雑していない状態で走れるように全力を尽くしましたが、私のスティントでは実現しませんでした。予選全体では、クリアな状態でどうにか1周だけ走ることができました。明日はもっと良くなるといいのですが」
ケビン・エストル(911 RSR #92)
「フリー走行の間、コースはとても汚れていましたが、何にもまして極めて暑かったです。新しい911 RSRをこれほどの高温のなかで運転した記憶がありません」
「私達は、予選に先立って様々な変更を加え、適正なタイヤコンパウンドを見つけようと努めていました。私はマシンの最適なセットアップを見つけられるだろうと楽観しています。何より木曜日にまだ時間がありますからね」
ディルク・ウェルナー(911 RSR #92)
「ミハエル(・クリステンセン)が速いタイムを出した後、決勝用のセットアップを最適化するために、私のスティントの間に様々なセットアップを試しました」
「私はまず、ここル・マンでの夜間走行に慣れなくてはなりませんでしたが、マシンは完璧に走り、いかなる機械的な問題も起きませんでした。まだ少しスピードが足りませんが、まだ十分な時間があります」
パトリック・ロング(911 RSR #93)
「911 RSRのバランスは良好でした。残念ながら、私達は最初の数ラップにおいてひとりのドライバーに先を塞がれてしまいました。彼は明らかに、夜のル・マンのコースを走るのが初めてのようでした。その後は自由に走るのは事実上不可能でした。明日は、改善のための機会がまだ2回あります」
マッテオ・カイローリ(911 RSR #77)
「ル・マンを夜に走るのは爽快な気分です。私は、予選で真っ先に飛び出しましたが、その後で前方の遅い車に前を塞がれてしまいました。私達の911 RSRはとても順調に走り、チームは完璧な仕事をしました。明日の2回の予選セッションでは、速く周回する機会がまだたくさんあるでしょう」