第85回ル・マン24時間耐久レースは6月15日、現地時間22時から予選3回目が行われ、予選2回目で3分14秒791という素晴らしいタイムをマークした小林可夢偉駆る7号車トヨタTS050ハイブリッドがポールポジションを獲得した。予選後、可夢偉が予選を振り返っている。
2016年からトヨタの一員としてWEC世界耐久選手権に参戦している可夢偉が、シリーズのハイライトとなるル・マンの予選で魅せた。赤旗中断となった予選2回目で、可夢偉は再開時に真っ先にピットレーンに並ぶと、トラフィックは2台程度と、これ以上ない絶好のコンディションでアタックを決め、3分14秒791というコースレコードタイムを記録。見事2014年の中嶋一貴以来となる日本人ふたりめのポールポジションを獲得した。
「ル・マンでは初めてのポールポジションですが、今年は予選ではしっかり結果は残せていますからね。とは言え、まずはこのル・マン24時間でポールポジションを獲れたことは嬉しいです」と可夢偉。
「クルマが本当に良かったので、しっかりしたタイミングでタイムを出せたことが大きいですね。クルマをしっかり煮詰めて、満足できるレベルになっていると思います。ここまでクルマを作ってくれたチームに感謝しているとともに、去年は悔しい思いからここまできて、こんな14秒台というタイムが出るのも思ってもみなかったので、チームを誇りに思います」
あのアタックのタイミングについて可夢偉は、「タイミングで言うとベストだったと思います。路面が良くなっていましたし、なかなかあれだけ台数が少ないところで走ることができるのもないので、気持ち良かったです」という。
一方で、トヨタにとってはポールポジション獲得に喜んでばかりもいられない。2016年にあとわずかでつかみかけた勝利をつかむことが、今年の最大のテーマだからだ。可夢偉は「予選は24時間レースでは意味がないと思っていますが、ポールポジションは嬉しいし、チームに感謝しています。明日は気持ちも新たにしっかり準備して、日曜まで後悔がないレースをしたいと思います」と語った。