村上ロードスターがS耐鈴鹿で連続ポール・トゥ・ウイン
6月10日・11日に鈴鹿サーキットで本年のスーパー耐久シリーズ第3戦鈴鹿4時間レースが行われ、ST-5クラスの#88村上モータース・ロードスター(村上博幸/脇谷猛/加藤正将)が優勝。前戦菅生に続き、連続でポール・トゥ・ウインを達成しました。
このレースのST-5クラスには、村上ロードスターを含め3台のNDロードスターが出場し、odulaデミオ15MB、NOPROデミオSKY-Dを加え、マツダ車が5台揃いました。
また、ST-4クラスにはTC CORSEロードスター、ST-3クラスにはチームNOPROのアクセラSKY-Dがエントリーし、合計7台の布陣でこのレースに臨みました。
今回もっとも不運だったのは、ベテラン野上敏彦率いる経験豊かなチームNOPROで、金曜日のプラクティスで駆動系にトラブルが発生したデミオSKY-Dに、修理後エンジンがかからなくなるという不具合が発生。
この電気系トラブルの原因を突き止めることができず、土曜日の予選を走ることができずにリタイアとなりました。
また、菅生で発生したオーバーヒートの対策を織り込んだアクセラSKY-Dは、菅生よりも気温の高いこの鈴鹿でもコンスタントに周回することができるようになりました。
しかしながら、まだエンジンパワーをフルに発揮されるまでには至らず、予選でクラス最下位となり、土曜日午後のセカンドチャンス100分レースに駒を進めましたが、ここでもタイムが届かず、残念ながら敗退となりました。
チーム代表の野上さんは「オーバーヒート対策は効果があり、100分を無事に走りきることができました。今回は敗退ですが、次のステップとして、さらなる軽量化とパワーアップを計画しています。アクセラの真の実力をお見せできるまで、チームは諦めずにレースカーの開発を続けます。引き続き応援をよろしくお願いします」と話しています。
今回の注目の的となったのは、予選でポールポジションを獲得した#88村上ロードスターです。Aドライバー予選で村上さんがトップタイムを取ると、Bドライバーの脇谷さんも2番手タイムで通過。合算の結果、#88がポールポジションとなりました。
「ストレートとストップアンドゴーを組み合わせた鈴鹿では、エンジンパワーに勝るフィットが強いんです。でもロードスターのハンドリングの良さを発揮すれば、我々にもチャンスがあるはず。欲張らず、ミスなく走って結果を待ちたいと思います」と、あいかわらず謙虚な村上さんでした。
決勝レースでは、村上さん自身がスタートドライバー担当です。レースが始まってみると、やはりフィット勢のパワー攻勢は激しく、オープニングラップに#700フィットに交わされてしまい、序盤は2番手でレースリーダーに食らいついていきました。
レースが1時間を経過しようかとする頃、コース上でクラッシュが発生。セイフティカー(SC)が出動してコースクリアを待つことになりました。その際に、村上ロードスターはタイミングよくピットインして給油。隊列に戻ることに成功し、この時点で逆転首位を取り戻します。
その後は、2番手の脇谷さんもミスなく、また他車のアクシデントなどにも巻き込まれず安定したラップタイムで周回。トップでアンカーの加藤さんに繋ぎます。
終盤にもコースのいたるところで、コースオフやクラッシュなどのアクシデントが発生しますが、加藤さんは落ち着いていました。
「コース上はデブリなどがひどく、注意が必要でした。それでも比較的路面がクリーンだった東コース部分では、ロードスターのハンドリング性能を活かしてタイムを稼いでいました」と語る加藤さんでしたが、ガソリン残量は心配でした。
レース終了間際にピットインし、少量をスプラッシュ給油してレースに復帰。リードを保ったまま、4時間目のゴールに飛び込みました。
表彰台の中央に立った村上さんは、「今回はSCラップにピットに入れて給油できたことで、流れを引き寄せることができました。また、ドライバーはきっちりミスなく走ってくれたし、ピットクルーたちも完璧な仕事をしました。特にメカニックの緻密な燃費計算に助けられました。念願の鈴鹿で勝つことができ、本当に嬉しいです。自信になります」と語っていました。
フロントロウからレースをスタートした#54 TC CORSEロードスター(加藤彰彬/堤優威)は、ST-4クラス5位に入賞。
ST-5クラスの#2 BOMEXロードスター(筒井克彦/山西康司/山下潤一郎)は6位で、#50 Love Driveロードスター(岩岡万梨恵/北平絵奈美/小松寛子)は9位、#66 odulaデミオ(橋本陸/大塚隆一郎/武地孝幸)は10位でそれぞれフィニッシュしています。