2017年F1スペインGP レース前のドライバーたち FIAが、約20年ぶりに、F1ドライバーブリーフィングの映像を一般に公開した。ファンからは好評を博したものの、当面は1回限りの公開となっており、毎戦行われる予定はない。
新オーナーのリバティ・メディアが進めている、F1をファンにより近づける施策の一部として、モナコでレースディレクターのチャーリー・ホワイティングが開いたFIAのドライバーブリーフィングの短い映像がカナダGPの週末に公開された。
このようなブリーフィングにカメラが入って映像を公開するのは1990年代以来初めてのことで、レースウイークエンドのなかで最も隠された部分のひとつについて知見を提供することとなった。
映像ではドライバーたちがホワイティングとともに、スペインGPやモナコGPの問題について議論している様子が映っている。ロマン・グロージャンは、スペインでルイス・ハミルトンがセバスチャン・ベッテルとのバトル中にコースをはみ出した際の動きについて、ペナルティ対象ではなかったのかと質問。マックス・フェルスタッペンは、モナコのターン16の縁石が高すぎると主張したが、ホワイティングは「去年と同じだ」と回答。「でも不必要に高いよ」とフェルスタッペンは少し不満げだった。ダニール・クビアトは、20年前みたいなウォールに戻してはどうかと提案し、ホワイティングに却下されている。
この3分ほどのビデオはカナダGPの週末で最も人気のあるF1コンテンツのひとつだったことが分かっている。ブリーフィングの映像を定期的に配信する予定は今のところないようだが、今年のうちに改めて検討される可能性はある。
ブリーフィングにテレビカメラを入れる際に考えられる問題のひとつに、ミーティングの性質が変わってしまうことがある。また発言が事実上公になるため、ドライバーやFIAが安全や競技についての重要な問題について、発言に消極的になることも考えられる。
ブリーフィングビデオの中に何度も登場したウイリアムズF1のフェリペ・マッサは、ミーティングの動画の公開を後押ししている。
「いいアイデアだと思うよ」とコンセプトについて尋ねられたマッサは答えた。
「正直言って、僕はモナコでのミーティングを誰かが撮影していることすら気づいていなかった」
「僕たちがチャーリー・ホワイティングやチーム、関係者と話をしているところを見れば、見ている人たちは皆、F1への理解をさらに深められるんじゃないかな」
テレビカメラが入ることでミーティングの性質が変わると思うかとさらに尋ねられたマッサは次のように答えた。「率直に言って僕は気にしないよ」
「僕はあの場で、F1にとって最善であることをしようとしている。正しくないと思うことや、ルールについてもっと改善すべきこと、その他いろいろなことについて発言するんだ。僕にとっては(公開されても)全く問題ではない」
マッサは、F1はさらに多くの分野でオープンになるべきだと付け加えた。
「他にオープンにした方がいいと思える機密事項としては、たとえばマシンに積んでいる燃料はどうだろう」とマッサ。
「ガレージから出て行くたびに、どれくらい燃料を積んでいるか皆に分かるようにするんだ」
「それほど多くのことを秘密にする必要はない」
「予選では、皆が少ない燃料で走っていることは誰もが分かっている。なのになぜ秘密にする必要がある?」
「チームは他のマシンが使っているものを大体分かっていることが多いのだから、もっと明確にすべきだ。秘密にすることはないよ」
WATCH: For the first time in two decades, we have footage from an @FIA Driver Briefing. Go inside the #MonacoGP briefing here! pic.twitter.com/z7GqShcOjb— Formula 1 (@F1) 2017年6月10日