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AKB48『選抜総選挙』、今年のキーワードは“新陳代謝”? 識者が語る注目ポイント

2017年06月15日 15:03  リアルサウンド

リアルサウンド

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 AKB48グループによる『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』が、いよいよ今週末6月17日に開催される。


 先日発表された中間速報では、指原莉乃(HKT48/STU48)や渡辺麻友、松井珠理奈(SKE48)といった上位予想を大きく覆し、荻野由佳(NGT48)が速報発表における過去最多票数(5万5061票)を獲得し1位にランクイン。この“下克上”が世間に大きな衝撃を与えた。


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 さらに、個人活動の充実や後進に道を譲るといった意図で不出馬を選ぶ者や、昨年から今年にかけての人気メンバー卒業も相まって、選抜メンバーの座を射止めるチャンスは例年よりもあるといえる。実際に、各グループの若手メンバーに加え、NGT48やAKB48チーム8といったグループからの速報ランクインも多かった。


 改めて『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』の注目ポイント、そして昨年との違いはいったいどこにあるのか。『日経エンタテイメント7月号』で指原莉乃、渡辺麻友(AKB48)、松井珠理奈、宮脇咲良(HKT48/AKB48)を、『日経エンタテイメント7月号 48グループ次世代メンバー特装版』で福岡聖菜(AKB48)、松岡はな(HKT48)のインタビューを担当するなど、総選挙関連の取材も担当するライターの西廣智一氏はこう語る。


「今年は柏木由紀さん(AKB48/NGT48)や山本彩さん(NMB48)の辞退も影響し、指原さんと渡辺さんの一騎打ちという予想が大半を占めていたことや、総選挙も9回目とあってやや盛り上がりに欠ける部分があったのは事実です。ですが、荻野さんが速報1位を獲得したことにより、世間もファンも一気に注目する回に変わったと思います。荻野さんに関しては、NGT48ファンの間では地道にいろんなことをやってきた結果として納得できる部分もあったでしょうが、他グループのファンからは意外だという反応も目立ちました。そういった出来事も含め『新陳代謝』が今年のキーワードといえるでしょう」


 続けて西廣氏は、峯岸みなみ(AKB48)や大矢真那(SKE48)といった常連メンバーがTOP100圏外にいることなどを踏まえ、この“新陳代謝”の要因を説明してくれた。


「昔からグループを支えたメンバーが苦戦し、AKB48チーム8やNGT48、AKB48の15期など、若手メンバーの躍進が目立ちます。その理由としてはレギュラー番組『AKBINGO!』が若手を中心とした構成にリニューアルしたり、メディア露出の少ないメンバーがSHOWROOMを使って新たなファンを獲得したりと、運営がここ数年で判断してきたものが作用しているのではないでしょうか。さらに、乃木坂46や欅坂46といった“坂道シリーズ”の躍進も影響していると思われます。彼女たちへ流れていったファンもいれば、坂道シリーズからAKB48グループへ流れてきた若いファンもいることは事実で、指原さんも取材の際に『坂道シリーズのファンは若い人が多くて、今までアイドルに興味なかった人を連れてきてくれていて、それが48にも流れてくるのが理想』と話してくれました」


 また、速報を受けてさらに激戦となるであろう上位争いの行方についてはこう推察する。


「メンバーの辞退や卒業もあり、8位~16位の選抜メンバーは昨年からかなり様変わりしそうな気がします。速報で意外なメンバーが上位にランクインしたこともあり、20位前後のメンバーについては、熱心なファンたちが立ち上げている選対(選挙対策委員会)が大きく動きそうですし。そこにここ数年で実力を挙げてきた須藤凛々花さん(NMB48)や福岡聖菜さん、常連組のファンがどこまで対抗するかというところでしょうか。荻野さんと同じバイトAKB出身で、昨年から期待を掛けられながらも速報では圏外となった松岡はなさんの巻き返しにも注目です。トップ争いについては、宮脇さんの活躍にも期待したいですね。彼女は昨年7位に輝いたもののステージで悔しさのあまり涙を流し、先日の取材でも『指原さんと渡辺さんが最後だからこそ、いま2人を抜かないと意味がない』と言っていましたから」


 最後に、今回の総選挙が今後のグループにもたらすであろう影響について、同氏はこうコメントした。


「例年通りだと速報と本番では大きく順位が異なるため、最終的にどうなるかは予測不能な部分もありますが、選抜メンバーの半数が昨年から変わってもおかしくない年だと思います。そうなることで、知らないメンバーの名前を見つけて興味を持ち、そこからファンになる人も多くなるでしょうから、グループにとっては大きなチャンスが待っているといえそうです」


 グループにとっては世代交代の大きな節目ともいえる今回のタイミング。『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』は果たして、その流れを裏付けるものになるのだろうか。(中村拓海)