6月14日、いよいよ伝統のル・マン24時間耐久レースの幕が開けた。現地時間22時20分、公式予選1回目が予定の20分遅れで開始され、3台のトヨタTS050ハイブリッドを投入するTOYOTA GAZOO Racingは7号車トヨタが暫定首位、8号車トヨタが同2番手で続き、3台目の9号車トヨタが同4番手につけた。
ル・マンの予選は、シルバーストンや富士などで開催されるWECのシリーズ戦で用いられる、2名のドライバーの平均ラップで順位を決定するフォーマットとは異なり、14~15日にかけて各2時間、計3回に分けて行われる予選セッションで記録した各車のベストタイムによって決勝スターティンググリッドが確定する。
ル・マンでの走行初日となった14日は、16時から4時間にわたる公式練習が実施された。その後、日が落ちた22時過ぎから全3回の予選のうち、最初のセッションとなる予選1回目が行われた。
3台のトヨタTS050ハイブリッドを駆る計9名のドライバーは、各自が規則で定められた5周の習熟走行を無事にこなし、決勝レースの参加資格を獲得。
そんななか、セッション序盤に7号車トヨタを駆る小林可夢偉が、ライバルのポルシェ2号車を上回る3分18秒793という総合トップタイムを記録すると、直後に8号車の中嶋一貴が3分19秒431をマークして、総合2番手につけた。
その後、セッション終了までこれらのタイムは更新されず、予選1回目を終えた時点でトヨタの8号車と7号車が暫定ながらワン・ツーとなっている。
2017年、必勝を誓うトヨタが満を持して投入した3台目のマシン、9号車トヨタは、ニコラス・ラピエールがマークした3分19秒958で総合4番手につけた。
ル・マン初挑戦となる国本雄資は、このセッションで計12周走行。サルト・サーキットでの初ナイトランを経験している。
■可夢偉「予選はそれほど重要ではない」
「若干コース上の混雑にも引っかかったので、完璧に満足のいくアタックではありませんでした」と可夢偉は自身のアタックを振り返った。
「しかし、暫定ポールが取れたのは良かったです。(予選前の)公式練習走行で、僕たちはさらにに自信を深め、マシンの進歩を確認できました」
「24時間レースにおいて予選はそれほど重要ではありません。むしろ連続走行でどこまで速さを向上できるか、長いレースへ向けそれが必要になると思います」
総合2番手につける7号車トヨタで、チーム最多の16周をこなしたアンソニー・デビッドソンは「コースコンディションがテストデーの時とはまったく異なっており、本当に驚かされた一日だったよ」とコメント。
「僕たちはテストデーで本当に好感触を得ていたのだけど、今日は最初からバランスの違いに戸惑い、まずその調整から始めなくてはならなかったんだ」
「しかし、今日の進歩には満足している。もう1日準備ができるから、さらなる向上を目指すよ」
また9号車のベストタイムを記録したラピエールは「予選のアタックラップではコース上の混雑に何度も阻まれ少しイライラしたが、マシン自体はとても快調だから、その点は嬉しく思っているよ」と語った。
「明日の予選2回目、3回目ではさらにタイムが上がると思う。夜間走行でのチームメイトふたりのタイムも上々だった。とても前向きに事が進み、全体的には良い内容の1日だったと思う」
ル・マンの走行2日目となる15日(木)は、現地時間19時(日本時間16日(金)2時)から予選2回目が、現地時間22時(日本時間5時)から予選3回目が、それぞれ2時間ずつ行われる予定だ。