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欅坂46守屋茜、スポ根キャラで見せる副キャプテンの資質 『残酷な観客達』第5話を振り返る

2017年06月15日 10:43  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『残酷な観客達』(日テレ)は、これまで1話ずつ、毎回フィーチャーするメンバーを変えてストーリーが展開されてきた。第1話では葉山ゆずき(平手友梨奈)、第2話は永嶺みこ(長濱ねる)、第3話は杉崎凛(菅井友香)と小柳郁美(小林由依)、第4話は和久綾乃(渡邉理佐)と浜野楓(原田葵)というように、各々が持つ辛い過去をフラッシュバックさせながらも、目の前に置かれたタブレットで、観客達から「いいね!」を獲得してきた。


(参考:欅坂46・渡邉理佐、平手友梨奈と真っ向から衝突? 『残酷な観客達』台詞のユニークさ


 第5話にてスポットライトが当たるのは、望月琴(守屋茜)。『残酷な観客達』は、実際の欅坂46のメンバーの関係性やそれぞれが持つ個性、特技、細かなネタなどを色濃く反映し、構成されている。第2話から怪しげな関係性にある平手と長濱は、実際にも仲の良いユニット「てちねる」として4thシングル『不協和音』Type-Aに「微笑みが悲しい」を収録している。菅井と小林は、共に楽器の経験者。渡邉と原田は、姉妹のようなツンデレとかまってちゃんなコンビとして有名だ。


 守屋が、欅坂46の中で独自のキャラを確立させたのは、冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京系)にて、昨年放送された企画「秋の大運動会」でのこと。同番組で守屋には、チーム「ガチ」のキャプテンとして指揮を執る姿から“鬼軍曹”のニックネームが付けられた。大接戦の末にチームは惜しくも敗北。悔しさから大号泣する彼女の姿は、笑いを誘いながらも真摯にものごとに向き合うマインドを持ち合わせていることを感じさせた。彼女は、後にグループの副キャプテンに就任することになる。


 そのスポ根キャラは、『残酷な観客達』の中でも存分に発揮されている。いつしか、生徒達の目的であった「いいね!」獲得は、教室からの脱出から食事へとすり替わっていた。生徒20人に対して、食事は19人分しか用意されていない。その状況に熱くなるのが、望月。彼女は3年前、ソフトテニス部の大会で、審判から不当な判定を受けていた。「いいね!」がもらえず、疑心暗鬼になる望月は、過去の苦い経験がフラッシュバックする。実際の守屋も、学生時代にソフトテニス部、新体操、柔道とスポーツに打ち込み、“負けず嫌い精神”を培ってきた。望月もまた、守屋をモデルに描かれた役であると言えるだろう。ラストに残った葉山と望月による食事争いは、望月へと軍配が上がる。一人食事を取ることが出来ないでテンションガタ落ちの葉山に、望月はツナマヨのおにぎりを差し出す。グループの副キャプテンとして、いざという時にメンバーに手を差し伸べる守屋の姿にも重なって見える。


 食事を終えた生徒達は、次のステージである体育館へ。そこには、タブレットと血だらけの男がいた。「先生!?」と一人駆け寄る、須原美空(鈴本美愉)。次のストーリーのバトンは彼女へと渡されるのだろう。


(渡辺彰浩)