6月14日、フリープラクティスと予選1回目で幕を開けた第85回ル・マン24時間耐久レース。初日22時20分からスタートした予選1回目では、7号車トヨタTS050ハイブリッドがトップタイムをマークし、8号車が2番手に続いたが、予選1回目の後、3台にそれぞれ乗り込む日本人ドライバーたちが初日を振り返った。
必勝を期する2017年は3台体制で臨むTOYOTA GAZOO Racing。WEC世界耐久選手権の開幕2戦で連勝を飾っているトヨタ勢は、テストデーでも好タイムをマーク。昨年チェッカー直前でまさかのストップを喫し初勝利を逃した悔しさを晴らすべく、走行1日目に臨んだ。
直前の『ロード・トゥ・ル・マン』の走行でレッドフラッグが出たこともあり、1時間40分に短縮された予選1回目だが、7号車は小林可夢偉が、8号車は中嶋一貴がステアリングを握りまずはアタックを実施。最初に履いたニュータイヤではコース上のトラフィックが多く、2台は満足いくアタックができずいったんピットへ戻った。
2台はその後ピットアウトし走行するが、可夢偉がドライブした7号車は3分18秒793というタイムをマークし、それが最終的にベストタイムとなる。「燃料を積んでいったらあのタイムが出た。アタックではなかった」と可夢偉にとっても少々驚きのタイムだった様子だ。
一貴は「最初のランではかなりトラフィックに引っかかって『僅差だ』と聞いたので、予定どおりピットに戻ってテストを行いながらもう一度アタックしました。トラフィックはありましたがタイムは上がりましたね」と3分19秒431で2番手に。最終的に2台のタイムを上回るマシンは現れず、トヨタがワン・ツーで初日を終えた。
ただ、可夢偉は「みんな今日はトラフィックでアタックできていないし、できていたらみんながもっと上がると思います」という。そして、フリープラクティスでトップタイムをマークしたのは1号車ポルシェ919ハイブリッド。一貴が「ポルシェとはタイムが近いですね。そうなるだろうとは思っていましたけど」と語れば、可夢偉も「ポルシェが単純に上げてきたんじゃないでしょうか」と警戒した。
一方、9号車で初めてのル・マンに挑んでいる国本雄資は、ニコラ・ラピエールがアタックを展開した後、ナイトセッションの走行を体験した。
「走ってみたら思ったよりも明るく感じましたね。今までテストしたコースより明るかったです」と国本は語った。
「たくさんクルマがいて難しさは感じました。あとはすごく遅いクルマがいて、一度フォードシケインでヤバかったです。すごく遠くにいたのに、向こうが20km/hくらいで走っていて(苦笑)」
とは言え、国本は無事に初日の走行を終え、「ちゃんと走ることができて良かったです。走行を重ねていければもっとタイムを縮められると思います」と手ごたえを得た様子だ。
6月15日の予選2回目/3回目、そして決勝では3人とトヨタ勢にどんなドラマが待っているだろうか……?