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Le Beausset Motorsports 2017スーパー耐久第3戦鈴鹿 レースレポート

2017年06月14日 16:42  AUTOSPORT web

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DENSO Le Beausset RC350 2017スーパー耐久第3戦鈴鹿
DENSO Le Beausset RC350が2戦連続ポールを獲得!
戦略通り盤石のレース展開で今季初優勝、優勝コースに鈴鹿も加える

スーパー耐久第3戦
6月10日(土)~6月11日(日)
鈴鹿サーキット 5.807km

 今シーズンはFIA-F4、スーパーFJと併せて挑む、ル・ボーセモータースポーツにとって最高峰カテゴリーである、スーパー耐久シリーズの第3戦が6月10日(土)、11日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催された。
 
 使用するマシンは2シーズンにわたって開発、熟成が進められてきたレクサスRC350で、「DENSO Le Beausset RC350」としてST-3クラスに、嵯峨宏紀、中山雄一、山下健太の3人を擁して挑む。
 
 前回のSUGOでのレースでは、2番手を走行中の終盤に燃料系トラブルが発生し、いったん順位を落としたものの、その後のリカバリーによって2位でフィニッシュ。まさにドライバーとチームが一丸になって、執念で結果をつかむレースとなっていた。
 
 今回のレースは、通常より1時間長い4時間で争われ、今季初の全クラス混走であるだけでなく、予選と決勝の間に「セカンドチャンス100」と呼ばれる100分間の敗者復活戦を挟む。
 
 ST-3クラスの場合、予選6番手以内であれば決勝進出が許されるが、7番手以下であればセカンドチャンス100を走らねばならず、出走する3台のうち最下位の1台は、土曜日のうちにサーキットを離れなくてはならなくなる。
 
 もちろん、最初の目標とするのはセカンドチャンス100を経ず、予選のうちに決勝進出を決めること。その上で、前回の2位よりひとつ上の順位、優勝を決勝で目指す。

予選
6月10日(土)
天候:晴れ/コース状況:ドライ

 レースウィークの練習時間はごく限られているため、早めにサーキット入りしてテスト走行を行い、セットアップを重ねていた「DENSO Le Beausset RC350」。その甲斐あって、マシンの仕上がりも上々で金曜日の専有走行は2セッションともにトップにつけ、セッション1の2分18秒357から17秒454にまで、セッション2では短縮を果たしていた。
 
 前回の2位入賞によってウエイトハンディとして10kgの重量追加を命じられているものの、トップタイムを記録して翌日の予選を迎えた。
 
 予選は土曜日の10時20分からAドライバーのセッションがスタート。初夏を思わせるかのようなコンディションではあったものの、嵯峨は入念にウォームアップを行ってからアタックを開始。
 
 嵯峨は他車に引っかかりクリアラップが取れないながらも、ただひとり2分16秒台に乗せる、2分16秒820をマークしてトップにつける。
 
 続けてBドライバーのセッションに挑んだ中山も、嵯峨からのインフォメーションが効いて、2分16秒064を記してトップに浮上。その結果、Aドライバー、Bドライバーの合算タイムを計算するまでもなく「DENSO Le Beausset RC350」の2戦連続ポールポジションが決定し、貴重な1ポイントを早くも獲得することとなった。
 
 なお、続いてCドライバーセッションに挑んだ山下は、決勝を想定し燃料を満タンにした上、ユーズドタイヤで周回を重ねながらも2分19秒010をマークし、ここまでのセッションすべてをトップで終えることに成功した。

決勝
6月11日(日)
天候:曇りのち晴れ/コース状況:ドライ

 当初は雨との予報も出ていた週末の鈴鹿ながら、その後に好転して決勝レースが行われる日曜日は、穏やかな天気に恵まれた。スターティンググリッドには、セカンドチャンス100で生き残った8台を加え、50台のマシンが並ぶこととなった。
 
 今回の日曜日の走り始めは、スタート進行の開始と同時に行われるウォームアップではなく、早朝にフリー走行が久々に行われ、ここでは中山メインでドライブし、2分19秒567をマークして2番手に。最後に嵯峨が最終チェックを行い、決勝レースへのセットアップを進める。
 
 グリッドウォークなど、さまざまなセレモニーが行われた後、1周のフォーメイションラップを経て、12時34分にグリーンシグナルが点灯。熱戦の火蓋が切られることとなった。
 
 スーパー耐久では、初めてスタートを担当した山下とあって、オープニングラップに2番手となるも、これは3周目に抜き返す。しかし、それから間もなく迫ってきたのが、宿敵「muta Racing TWS IS350」(IS350)だった。必死に山下はガードを固め続けるが、無用なリスクを避けて7周目にIS350を前に出す。
 
 だが、大きな遅れをとることなく続き、チャンスの到来を待つこととした。 そんな中、最終コーナーで脱落したタイヤを回収するため、40分ほど経過したところでセーフティカーがコースイン。その先導は4周に渡った。
 
 ライバルの何台かはそのタイミングでドライバー交代を行ったものの「DENSO Le Beausset RC350」はコースにステイ。リスタートを完璧に決めた山下は、やはりステイしていたIS350に遅れをとることなく、食らいついていった。
 
 そして、34周目に予定どおり中山と交代。IS350とは同一周回でのピットインとなり、ピットでの逆転は果たせなかったものの、しっかり視界におさまる位置でコースに戻っていった。 中山のペースが明らかに上回ることから、徐々にトップとの差も詰まっていき、43周目には待望のトップに返り咲くことに成功。

 山下のインフォメーションより後半にはタイヤの摩耗が進みグリップが大きく落ちて厳しい状況であったこともあり、中山は、タイヤをいたわりながらも、IS350より速いラップを刻み逃げ続けていく。
 
 そして68周目からは嵯峨が「DENSO Le Beausset RC350」に乗り込み、チェッカーまでの残り1時間10分が託されることとなった。もちろんトップは保たれたままで、2番手との差は20秒以上。
 
 すでに安全圏へと脱出した格好だったが、2番手争いが激しく繰り広げられていたことで、ペースをコントロールする余裕も得てチェッカーを目指す。
 
 そして難なく嵯峨は逃げ切りを果たして今季初優勝。また2年連続で制してきた富士以外のサーキットで、初めての勝利を挙げることとなり、さらにランキングでもトップに躍り出ることとなった。
 
 次回のレースは7月15~16日、九州のオートポリスが舞台となる。今回の優勝によってウエイトハンディは30kgとなり、アップダウンに富んだテクニカルコースでは少なからず影響を及ぼすだろう。しかし、クルマの進化が明らかにもなっただけに、連勝も視野に入れての戦いとなる。

レース後コメント
チーム監督 坪松唯夫
 レースウィークを通してクルマのパフォーマンスも高く、自信を持って決勝を迎えられた。このサーキットの特性上、予選ではタイトルを争うIS350に分があると思っていたがそのギャップをドライバーとエンジニアとで見極め、そして対応してくれた。予選の結果で、更にチーム全体の志気も上がり、緊迫した4時間を走りきれた。そうして成しえた鈴鹿での優勝は格別である。
 
ドライバー 嵯峨宏紀
 前回に続いてポールポジションが獲れたのは、すごく良かったと思います。前回のSUGOでは苦戦を予想していながらも、2位という結果も残せたので鈴鹿ではもっと有利に戦えるだろうと思っていました。僕自身の予選としては完璧なアタックではなくて、ところどころにミスがありましたが、それでもうまく16秒台に入れられて、雄一がそこからタイムアップして、ともにトップで終われたので、内容もいい予選でした。
 
 決勝は、僕のスティントで後ろがやり合ってくれたので、ペースをコントロールしてゴールを目指すことができました。ただ、タイヤが厳しい中、タイヤをいたわりながら、後ろに追いつかれないように、スピードも求めた走りを続けました。チーム、ドライバーが完璧な仕事をした結果での優勝だったと思います。

ドライバー 中山雄一
 練習や予選からクルマは調子が良くて、最後までドライバーもチームもミスなく、それに結果もついてきて、すごく良かったと思います。去年と比べてクルマが進化し、なおかつチームが成長しているのを実感していますから、すごくやりがいがあります。
 
 次のオートポリスでは去年は苦労しているんですが、今の感触ならきっといい戦いができると思います。できるだけ多くのポイントを獲って帰りたいですね。ただ勝てただけでなく、いいタイムも出せたので本当に良かった。次もやれると思います!

ドライバー 山下健太
 スタートは初めてで、うまくブロックできずに一台に抜かれてしまって、ちょっとカッコ悪かったですね。それはすぐ抜き返せたのですが、その後にIS350がすごい勢いで迫ってきて、2~3周はブロックして抑え込むことができました。
 
 その後は離されないようにしていれば、チームメイトが逆転してくれるという雰囲気はあったので、他のクラスのクルマをうまく使ったりして、なんとか離されずに食らいついていきました。同じタイミングでピットに入れたのも、勝因のうちだと思っています。次のオートポリスもこの勢いで勝ちたいと思います。