アプリリアは、2018年に現在契約中のサム・ロウズの代わりとなるライダー候補に声をかけている。ルーキーのロウズが「早急にさらなる改善を見せることができない」場合に備えてのことだとレーシングマネージャーのロマーノ・アルベシアーノは認めた。
ロウズはMoto2で3シーズンを過ごし、昨年はアプリリアのプログラムを運営するチーム・グレシーニに所属、2度の優勝を飾り、2017年からMotoGPに昇格した。
ロウズは2018年シーズン末までの契約があるが、7戦が終了した現在のランキングは24位で、最高順位はフランスGPにおける14位、予選の最高順位はアメリカGPにおける20位である。
ロウズは自身が進歩を遂げていることに自信を持っているが、アプリリアがライダーを入れ替えるかもしれないという報道がされた後のカタルーニャGPの週末に、チームの態度に敬意が欠けていると感じたと話している。
アルベシアーノは、アプリリアはライダー交代の選択肢をオープンにしておくが、優先順位はロウズに結果を出してもらうことだと述べた。
「非常に明確だ。我々はサムに大きな投資をしたのだ」とアルベシアーノは次のように語った。
「彼の最初のサポーターとして、我々は彼が早急にパフォーマンスの改善を見せることを期待している」
「しかし同時に我々は、彼が改善しなかった場合の次シーズンの準備をしなければならない」
「我々が他のライダーに声をかけているのはそのためだ」
ロウズから何を期待しているのかと尋ねられてアルベシアーノは「改善を見せることだ。ふさわしい時にすぐにでもね」と答えた。
スズキのアンドレア・イアンノーネは2年契約のうち最初の7戦が終わった時点で移籍の噂が出ているが、アルベシアーノは「明確な期限」は決めていないと付け加えた。
イアンノーネはマーベリック・ビニャーレスの後任としてドゥカティからスズキに移籍したが、ランキングは15位で、ポイントを獲得できたのは7戦中3戦だけだ。
「我々にとって本当に重要なことは、ライダーのパフォーマンスだ」とアルベシアーノ。
「だからライダーはイタリア人でも構わないし、シンガポール人だって同様に構わない」
■ロウズの将来に対する見方にエスパルガロは「激怒」
アレイシ・エスパルガロは2017年にスズキからアプリリアへ移籍したが、自身のミスやメカニカルトラブルの影響を受け続けている。
以前からチームメイトを支援する発言をしてきたエスパルガロは、ロウズの将来への決めつけに不満を持っており、シーズンに入ってからあまりにも早すぎるとしている。
「チームメイトの来年の見込みについて読んだけど、とても腹が立った」とエスパルガロ。
「まだ5戦や6戦だ。昨シーズン(Moto2で)何勝もしているライダーにはもっと敬意を払う必要があると思う」
「こうした実績を、たかが3カ月で忘れるべきじゃない」
「もっと敬意を持つ必要があるし、サムにもっと時間を与える必要がある。彼は才能あるライダーなんだ」
「もしバレンシアまで来て彼の結果が思わしくなかったら、何か考えるだろう。でも6月ではあり得ない」