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ル・マン公開車検にトヨタが登場。可夢偉も一貴も決勝には慎重な姿勢「自信なんて意味がない」

2017年06月13日 16:02  AUTOSPORT web

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中嶋一貴は「(決勝は)やってみるしかない」と慎重な姿勢
ル・マン市内のリパブリック広場で行われたル・マン24時間レースの公開車検2日目。現地午後にはトヨタの3台が車検場に姿を見せた。

 この日は月曜ということもあってか、午前中は観客の姿も少なかったが、14時すぎのトヨタ登場に向けて、前日並みの観衆が押し寄せてきた印象だ。

 トヨタのドライバー勢は、13時半すぎにリパブリック広場に到着。3台のマシンは1台のトランスポーターに積み込まれ、車検開始時間の15分ほど前に姿を現した。

 9人のドライバーは参加受付等を済ませると、号車順に報道陣の待つスペースへ。7号車の小林可夢偉はテストデーでトップタイムだったことを聞かれると、「そんなことありましたっけ? っていう感じです。あんま気にしてないです」とあっさり。

“自信”について問われると、「6時間レースなら自信たっぷりやけど、24時間レースだから、自信なんてまったく意味ないと思うんで。壊れたら終わりなんで。テストのタイムが良いって言っても、予選でレースが終わるわけではないし」と、あくまでも決勝を見据えたモードだった。

 続いて姿を見せた中嶋一貴は「順調ですし、タイムも悪くないし、セットアップも悪くなく、タイヤもある程度見れました」とテストデーを振り返る。

 一貴によれば、今年のマシンは進化が著しいという。「エンジンが新しくなったのが1番大きいと思います。(アクセルを)踏んだ時の加速感がよくなっています。馬が多い(=馬力がアップした)。クルマ的にはルールでダウンフォース削られた部分は、しっかりと取り返せている気がします。あとはタイヤが去年よりも良くなっていますし、いい意味で昨年との違いは感じないです」とポジティブな言葉が並ぶ。

 タイヤに関しては、ロングライフでありながらグリップも高いものを、ミシュランが用意してきたのだという。8号車はテストでも「いいロングランができた。トラフィックだなんだというのはありますが、いい感触だったのは間違いない」と、こちらも決勝に向けて虎視眈々といった感じだが、レースへの自信について訊かれると「このレースは、自信とかそういう問題じゃないと思うので、あとはやってみるしかない」と可夢偉と同様の受け答えだったのが印象的だった。


■“ルーキー”国本雄資は「キャリアのなかで1番大きいチャレンジ」

 続く“ル・マンルーキー”国本雄資は、車検場の雰囲気を心底楽しんでいるように見えた。

「すごくいい雰囲気だと思います。街をあげての大きなお祭りっていう感じがするし、歴史も感じますね」。テストデーでは「手応えもありつつ、クルマとコースにしっかり慣れることもできました。スパよりも自分には合ってるかなという感じもします。抜くのも簡単ですし、スパよりも(コースが)広く感じた」と、初走行となるサルト・サーキットへの適合も進んだようだ。

「このレースは、自分のキャリアのなかで1番大きいチャレンジだと思うので、そこでしっかり自分の力を発揮できるようにしたいと思います」と堂々と語った。

 ドライバーたちはメディアの取材を受けたあと、車検を終えた3台のマシン、そして全チームスタッフとの記念撮影に臨んだ。スタッフを含めたチーム全体の雰囲気も極めて明るく、トヨタが悲願に向けて着々と歩を進めているという印象を受けた車検2日目だった。

 13日からイベントの舞台をサルト・サーキットに移し、午前中に全ドライバーの集合写真撮影、夕方にはオートグラフセッションなどが行なわれる。走行開始は14日の水曜日だ。