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ル・マン24時間決勝を前に、ポルシェとトヨタがエールを交換。「23時間59分のその先へ」

2017年06月13日 14:33  AUTOSPORT web

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Gazoo Racingカンパニーの北沢重久氏とポルシェジャパンの七五三木敏幸社長によるトークセッション
ポルシェジャパンは6月13日、東京・六本木の東京ミッドタウンで第85回ル・マン24時間耐久レースに向けた記者会見を開催。ル・マンで総合優勝を争うTOYOTA GAZOO Racingとエールを交換した。

 2016年のル・マン24時間で、トヨタとの激闘を制し、メーカー最多の通算18度目となるル・マン制覇を成し遂げたポルシェ。2017年は3年連続、19度目の勝利を目指し、戦いに挑む。

 その決勝レースを17日(土)に控えた13日(火)、ポルシェジャパンが東京ミッドタウンのアトリウムでイベントを開催した。

 イベントには、まずポルシェジャパン株式会社の七五三木敏幸代表取締役社長が登壇。「昨年、(決勝レーススタートから)23時間57分で起きたドラマチックな展開は、皆様の記憶にも鮮やかだと思う」と語った。

「一方で、諦めることなく走り続けた我々が勝利を掴みました。耐久レースの真骨頂のようなレースでした」

「2017年は3年連続、19度目の総合優勝を目指し、ル・マンに挑みます」

「また今年のル・マンが、どのような結果に終わっても、私たちは2018年のル・マン24時間に舞い戻ります。ル・マンはプロモーションの場だけでなく、開発の場でもありますから」

 その後、イベントにはトヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Companyの北澤重久マーケティングディレクターも登壇。WEC世界耐久選手権/ル・マンではライバル関係にある両社が2016年のル・マンを振り返るとともに、2017年大会への抱負を語った。

 七五三木社長は「(2016年、)ポルシェのスタッフたちは23時間57分までは険しい顔で、ある覚悟をしていた。耐久レースの醍醐味を感じたレースでした」とトヨタとの死闘を振り返る。

「ル・マンの3日後に、ポルシェ社内のトップマネジメントミーティングがあった。そこでル・マンを振り返る映像レポートが流れたが、真の王者はトヨタだったというメッセージで締めくくられた。社内にはトヨタに対する尊敬の念がありました」

 これに対し、北澤マーケティングディレクターは「耐久レースの残酷さを痛感した戦いでした。また、ポルシェは自動車メーカーとしてもル・マンの場でも大先輩。勝負には負けたが、大先輩ポルシェにライバルとして認めてもらえたことは光栄」と応じた。

 最後に七五三木社長が「今年もル・マンには必勝体制で挑みます。厳しい戦いになると思うが頑張りたい。今年は23時間59分で止まっていただければ……」と笑いを誘うと、北澤氏も「WEC開幕2連勝して、チームの雰囲気は良い。ただ、ル・マンは24時間レースで何が起きるか分からないということを身をもって痛感しました。今年は23時間59分も乗り越え、その先にたどり着きたいと思う」と応じるなど、ライバル関係にある両社ながら、イベントは終始和やかなムードで幕を下ろした。

 またポルシェジャパンは6月18日に東京・銀座のG735 Galleryで第85回ル・マン24時間のパブリックビューイングを開催することも発表している。