バレンシア・サーキットで最近ルノーF1のテストを行ったロバート・クビカは、F1への「正式な復帰」を目指していることを示唆した。
6日、クビカはバレンシアで今季のルノーと同じカラーリングに塗り替えられた2012年仕様のロータス『E20』で115周を走行。チームはこのテストを「濃密なレース週末のようだった」と表現した。ラリーでの事故でF1キャリアを中断することになった2011年シーズン序盤以来、初となるF1マシンでの走行だった。
テストでの体験によって、F1から離れていたこの6年間にどれだけのものを失っていたかを目の当たりにしたクビカは、走行直後に「複雑な気分だ」と話していた。しかしSky Sportsのインタビューのなかで、バレンシアで見せたペースを考えると、F1へのフルタイム復帰が実現可能な目標だと考えていることを認めている。
「これが僕にとって新たなスタートであることは確かだ。このことが何をもたらすのかはわからないが、あれほどの困難な時期を過ごして、制限があるなかでもF1マシンで走れることがわかったのは、良い気分だ」
「良いペースで、1回のグランプリと同じ距離を走行できることがわかった。うれしいし、自分自身を誇りに思うよ。このテストを終えてみたら、もっとテストがしたくなった」
「それは僕だけでどうにかできることではないけれど、取り組みを続けて少しずつでも前進し、いつの日か正式に復帰を果たせたらいいね」
現在32歳のクビカは、今回の走行に向けてGP3、フォーミュラE、LMP2などのマシンのテストも行ってきた。クビカのテストは「1回かぎり」とルノーは述べているが、今後も走行の機会を与える可能性はあると見られている。