トップへ

トヨタ若手育成の勝田貴元、高難度グラベルのイタリア戦でクラス3位。新井大輝はリタイア

2017年06月12日 19:22  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

WRC第7戦イタリアのWRC2クラスで3位表彰台を獲得した勝田貴元(フォード・フィエスタR5)
トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム、『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している新井大輝、勝田貴元は6月8~11日に開催されたWRC世界ラリー選手権第7戦イタリアのWRC2クラスに参戦。勝田が総合14位/クラス3位を獲得した。

 地中海に浮かぶイタリア領サルディニア島で行われるラリー・イタリア・サルディニアは、路面コンディションが刻一刻と変化する高難度グラベル(未舗装路)ラリー。新井と勝田には前戦ポルトガルを超える試練となった。

 勝田は大会4日間を通し、堅実な走りを披露。10日に行われたSS11ではステージ走行中にエンジンが停止するトラブルに見舞われたほか、SS15ではフィニッシュまで残り2kmの地点でタイヤがパンクする不運もあったが、大事には至らず。

 運も味方にした勝田は、そのまま走りきりクラス3位表彰台を獲得した。

「今回のラリーはコーナー毎にコンディションが違ったことが1番難しかったです」と勝田。

「いつパンクしてもおかしくないような道がずっと続き、今までで1番タフなラリーでした。SS11でエンジンが止まったときは、もう自分のラリーが終わったかと思いました」

「この難しいラリーを完走できたことは大きな収穫です。コドライバーのマルコ(・サルミネン)とのコミュニケーションは回を重ねる度に良くなっていて、彼のおかげで自分がフォーカスすべきことを貫くことができました」

「いつも支えてくれているマルコ、インストラクターのヨウニ(・アンプヤ)を始め、チームの皆と家族に感謝の気持ちを伝えたいです」

 一方、チームメイトの新井はデイ1のSS1からトラブルに襲われる、SS1はスタート直前に起きた電気系トラブルでコドライバーが読み上げるペースノートが聞こえない状況での走行を強いられた。

 また、ワイパーも機能せず、視界を確保できない状況でのアタックとなりクラス最下位発進となった上、フィニッシュ後のリエゾン(移動区間)で修理を試みるもデイリタイアとなる。

 翌デイ2はトラブルフリーで完走したものの、デイ3はSS12でコースオフがありデイリタイア。最終デイ4はSS17でライン上の石に接触した際にドライブシャフトとサスペンションを破損しリタイアを強いられるなど、不運が重なる苦しい週末となった。

 新井は「今回はエンジニアからのアドバイスと自分の元々のドライビングを融合させることを試み、イメージが固まってきた頃にリタイアとなってしまいました」と大会を振り返る。

「ラリー中に学べたことは多かったのですが、結果につなげられなかったのが残念です。ですが、きれいな走りができたステージではクラストップタイムに近い良いタイムを出せたことは励みになりました」

 また、この週末にはTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに所属するコドライバーの足立さやかがフィンランドラリー選手権第5戦O.K.オートラリーに参戦。しかしSS1でコースオフしリタイアとなった。

 新井と勝田が挑む次なる戦いは、7月14~15日にフィンランドで行われるオートグリム・ラリー。高速のグラベルイベントで、同月末に行われるWRC第9戦フィンランドを見据えた参戦となる。

 コドライバーの足立が挑む戦いは9月8~9日に行われるフィンランドラリー選手権第6戦ウーシカウプンキ・ラリーだ。