2017年F1第7戦カナダGPで決勝トップ10に入ったドライバーたちが、日曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
信じられないような週末だ。これ以上ないほどハッピーだよ。何よりチームにとってよかった。
モナコの後には、チームの全員が困惑し、なんとか立て直そうとした。それがうまくいったと思う。
(メルセデスでの)この5年、チームがこれほどまでに結束してひとつの目的を遂げるために努力した姿を見たことがない。マシンを理解するために取り組み、ここにやってきて、この結果を出した。フェラーリに対して大きな一撃を加えた。
メルセデスは本当に素晴らしい仕事をした。自分たちの悪いところを改善するためにあらゆる点を分析した。驚くほどのチームワークだ。
マシンはあるべき状態に戻った。もちろん今後毎回こうなるとは考えていない。でもここから前に進めるはずだ。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
今週末、僕らチームが挽回を果たせたことをとても喜んでいる。この2週間、素晴らしい対応ができたと思う。しっかり取り組んで、改善を成し遂げたんだ。これほど勝利にこだわり、トップに戻ろうという強い意志を持ったチームを、僕は今まで見たことがない。だから、今日1-2を飾ることができて、最高の気分だった。
スタートでは、できるだけアグレッシブにいって、フェラーリ勢の前に出てやろうと思っていた。それはうまくいったけど、少しロックアップしてしまったせいで、ファーストスティントに少し影響が出た。最初はレッドブルの後ろで時間を失い、ピットストップの後はフォース・インディアに引っ掛かった。セカンドスティントでソフトタイヤを履いたら、あまりペースがよくなかった。でもフィニッシュして、大量にポイントを取ることができたのでよかったよ。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=3位
今日はタフなレースだった。ソフトに履き替えた時点では、このまま最後まで行くのが正解だと思っていた。しばらく(セルジオ・)ペレスに追い回された後、数周の間は少し引き離すことができたからだ。
彼はタイヤで苦しんでいるように見えたんだけど、実際にはちょっとタイヤを休ませていただけだったようで、すぐに第二波の攻撃を始めた。僕の方は、特に最終セクターで、一切ミスができない状況に追い込まれた。ペレスがDRSを使って追ってきたら、抑え込むのは難しいからね。だから、絶対にミスをしないという意味で完璧に近いドライブを強いられたんだけど、路面のグリップは低かったし、風はものすごく強くて、それはもう簡単なことではなかったよ。
とにかく、楽に3位を守れたわけではなく、チェッカードフラッグを見た時には、「ああ、これでやっとひと息つける」と思ったほどだ。
(ポディウムで)またシューイをやるつもりは全くなかった。だけど、観客が口々にやれと言っているのが聞こえて、サー・パトリックも乗り気みたいだったから、それじゃあ、今回はやってもいいかな、と思ったんだ。実際、すごくいい感じだったと思うしね。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位
スタートはあまりよくはなかったけれど、それほど悪くもなかった。マシンは好調だったから、今日は本当なら4位よりも上の結果を出せたはずだ。それははっきりしている。でも実際の順位はここなのだし、終わったことは仕方ない。ただ、マシンが強力だということは分かっている。
スタートで、僕と(バルテリ・)ボッタスはイン側に行こうとしていたら、マックス(・フェルスタッペン)が外側から回りこんできた。でもこういうことも時にはある。
その後、セーフティカーが出動していた時には、(フェルスタッペンが接触した際に起きた)フロントウイングのダメージがこれほどひどいと分からなかった。フルスピードで走るようになって初めて気付いた。
ボディワークの他のパーツにもダメージがあった。それがラップタイム上、どれぐらいの影響があったのか、はっきりとは言えないが、金曜と土曜に走っていた時とはマシンの感触が違っていたのは確かだ。それでもペースはよかった。あと何周かあったら、表彰台をつかめたかもしれない。ここのトロフィーは素敵だったのにな……。それを手にすることを目標にしていたのに、届かなかった。でも僕らチームはさらに成長していくよ。
(スタートについて語り)マックスが来るとは思わなかった。僕はバルテリに集中していたんだ。前にはルイス(・ハミルトン)がいて、行き場がなかった。あそこでブレーキを遅らせたら、ルイスに突っ込んでしまっただろう。
マックスはチャンスをつかんで、アウト側から前に出た。僕のフロントウイングを踏んでね。わざとやったとは思わない。普通、ああいうことをしたら自分のタイヤがパンクする。彼はパンクしないで済んでラッキーだったよね。
(セーフティカー出動時にウイング交換に入らなかったことについて)ターン6か7あたりで何かおかしいと感じたけど、セーフティカーが出動した。セーフティカー先導時は低速で走行するから、ダメージに気付きづらいんだ。あの時点で(ダメージに)気付いて、フリーストップをすべきだった。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=5位
本当にタフな午後を乗り切って5位という結果をつかんだことを喜んでいる。レースのほぼ最初から最後まで(ダニエル・)リカルドのすぐ後ろ、DRS圏内を走り、オーバーテイクのチャンスをうかがっていた。
彼が苦しんでいる場所があるのが分かった。周回遅れの集団に追いつき始めたから、なんとかトライしてオーバーテイクしてみようと思った。僕にはそのチャンスにかけてみる権利があると思ったんだ。ベストを尽くしてプッシュしたけれど、アクションを起こすことは不可能だった。
後ろを走っていたエステバンも、レースのほぼ半分ぐらいにわたって同じような状況だった。でも最終ラップになって、(マーカス・)エリクソンを周回遅れにする際に僕にかなり接近した。
エステバンの方がタイヤのライフ的に有利なのは知っていた。エンジニアからそういう状況を知らされたからね。でも僕はそれに対して、僕らにレースをさせてくれと頼んだ。チームは僕の考えを尊重してくれた。フェアだったと思う。
チームを常に最優先すべきだ。僕らは激しく戦ったけれど、フェアなバトルだった。僕は常にベストを尽くしている。今回たくさんのポイントを取れたことを喜んでいる。
(オコンに譲らなかった件についてさらに語り)チームから(オコンを)前に出すよう頼まれた時、僕らは周回遅れに追いつきつつあったから、僕は「トラフィックさえあれば大丈夫だから、僕にチャンスをくれ」とチームに頼んだ。ダニエルがひとつでもミスとかロックアップをすれば、チャンスがあった。だけど彼は完璧なレースをした。ひとつもミスをしなかった。
エステバンの方が僕よりずっと新しいタイヤを履いていたが、僕を追い抜けるほどは近づけずにいた。
結局、僕らはふさわしい位置でフィニッシュしたんだと思う。フェラーリがすごいペースで近づいてきているのは分かっていた。僕の方はタイヤのグリップに苦しんでいた。
それでも表彰台を自分のものにできると思っていた。(比較的早めにピットストップする)戦略は理想的ではなかったけれど、僕自身はベストを尽くそうとした。
こういう立場に立ったのはキャリアで初めてのことだ。僕はフォース・インディアのために働いているし、彼らのために最善の結果を出したいと思っている。
またこういう状況になったときのために、解決法としてプランを決めておくべきだ。どうすべきかを知っておくためにね。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 決勝=6位
チーム全体で今日は貴重なポイントを稼いだけれど、僕自身はこの結果に少し不満を持っている。表彰台が可能だったんじゃないかと思うからだ。
でもこれがレースなのだし、ポジティブな面を見なければ。今日のマシンはとても素晴らしくて、フェラーリやレッドブルと戦うことができた。それはすごいことだよ。今日のようなレベルで戦えるのはこれが最後ではないと思っている。最高の気分だったし、すごく楽しいレースだった。
チームの全員が素晴らしい仕事をした。こんなに速いマシンを用意してくれたんだ。今日の仕事と獲得したポイントを、僕らは誇りに思っていい。
(ペレスとのバトルについて聞かれ)どちらかというと、彼の動きの方にいらいらした。フェアじゃなかったんだ。
高速走行時にぎりぎりになってから動いた。そのせいでふたりともリタイアする可能すらあったと思う。僕、彼、チームの全員にとって恐ろしい結果になりかねなかった。
最高のレースだったけど、リカルドを抜くチャンスを得られなかったことだけが残念だ。僕にはそれだけのペースがあったと思う。つまり、今日は表彰台も可能だったんだ。
レースではこういうことも時にはあるから、ミーティングの時に話し合う必要がある。
でもいつか僕にもチャンスがめぐってくると思う。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=7位
スタートでホイールスピンしてしまい、いくつか順位を落とした。その後は楽なレースではなかったね。最初の数周は苦労した。オーバーテイクが難しかったんだ。
2回ストップに戦略を変更し、フレッシュタイヤを履いて、他より速いスピードで走ってチャンスを得ようとした。そうするとペースがよくなり、上位に近づくことができた。
でも残念ながらブレーキに問題が出て、速さをうまく活用することができなかった。最後の10周はほとんどブレーキが効かないような感じだった。
残念だけど、少なくとも完走して何ポイントかは取ることができた。チームにとって困難な一日だったけれど、時にはこういうこともある。今日はあまりうまくいかなかったが、それを受け入れて、前に進もう。
■ルノー・スポール・フォーミュラ1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=8位
全体としては、僕らにとってすごくポジティブなレースだった。今日はあらゆることが順調に運んだ。時々強風に吹かれたのには参ったけどね。ストレートでクルマが左から右へ流されるほどだったよ!
もちろん、何台かのリタイアに助けられた部分はあるけど、それでも終わってみれば8位で4ポイントを獲得できたのは悪くない。特にこのコースでは、いったい僕らがどこまでやれるだろうかという心配もあったからね。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
ランス・ストロール 決勝=9位
とにかくうれしいよ。自分自身はもちろん、チームやその他のみんなも喜んでくれると思う。クルマのバランスはレースを通じてずっと良かったし、僕もしっかり集中できていた。ウイリアムズはストレートが速いことは分かっていたから、よくタイミングを見極めてオーバーテイクをしていった。この周で行けると思っても、少しリスキーだったら次の周までガマンするとかね。
僕のエンジニアのジェームスは、まわりで何が起きているかについて、役に立つ情報をずっと送り続けてくれた。そして、冷静さを保ち、最後まで走り続けた結果、9位に入ることができたんだ。
やっといろいろなことが然るべき場所に落ち着き、あらゆることが問題なく機能して、本来のペースで走れたという感じだ。レースをポイント圏内でフィニッシュできるというのは、僕にとっては何よりも大事なことだ。僕のレースに対して、数多くのカナダ国旗が振られているのを見たのも、大きな意味のあることだった。
■ハースF1チーム
ロマン・グロージャン 決勝=10位
僕のレースは、1周目にフロントウイングを交換するという最悪の形で始まった。その結果、何とか戦える戦略は、ステイアウトして1周目に交換したタイヤを69周持たせることしかなかった。スーパーソフトでこの周回数を走れればたいしたものだと思う。そして、僕らはそれをやってのけた。
スタート直後のカルロス(・サインツ)の動き、つまり、ターン3で彼が僕に対してやったことには強い不満を覚える。あれはものすごく危険な動きだった。クルマが大きなダメージを受けなくて本当に良かったよ。フロントウイングを交換しただけで、またレースに戻れたからね。
終盤には(フェルナンド・)アロンソがリタイアするというちょっとした幸運もあって、何とか1ポイントを獲得できた。これはチームにとっては良いことだったが、今日は本当ならもっと速く走れたはずだ。
(サインツとのアクシデントについて聞かれ)僕はイン側、カルロスはアウト側にいた。そしたら彼は2回右に寄せてきた。最初僕は芝の上にはみ出したけど、なんとかコースに戻ってくることができた。そしたら彼が当たってきたんだ。本当に危険だった。幸い、ターン3であれ以上のことが起こらなかったからよかったけれど、ひどい事故になってもおかしくなかった。