誕生日を迎えることが嬉しくなくなった、という女性も少なくはないだろう。SK-IIは6月12日、女性の生き方に関する意識調査の結果を発表した。調査は今年5月、首都圏の10~50代の女性1400人を対象にインターネットで実施した。
プレッシャーの原因1位「友人・同僚からの言葉」
「20歳」「30歳」「40歳」「50歳」の年齢の節目で、どのタイミングで最も「不安・心配」といった気持ち感じる、または感じたかと質問すると「30歳」(41.6%)が一番多かった。その他は「20歳」が13.1%、「40歳」が26.6%、「50歳」が18.7%となり、約1.5倍~3倍という結果となっている。また20代に限定すると、63.5%が不安に感じている。
20代女性に「30歳を迎えることへのプレッシャーや不安の原因」を聞くと「友人・同僚からの言葉」(62.3%)、「メディアからの情報」(60.7%)に次いで「SNSの投稿による情報」が58.3%となっている。この数値は「両親からの期待」(52.5%)を上回っており、「SNSの投稿による情報」を挙げた割合を各年代で比較すると20代がトップとなっている。
2016年にタイムカレントが発表した調査によると、Facebookを使用していて「疲れた」「やめたい」と思ったことがある人は43.7%。その理由で最も多かったのは「他人の『リア充』投稿にうんざりしてしまう」(40.2%)だった。
友人や両親たちからの直接的な言葉だけでなく、メディアからの情報やSNSの投稿を日常的に目にすることが増え、そこからプレッシャーを感じていると考えられる。
湯山玲子さん「不安へようこそ。30歳を近くして大人になった」
SK-IIの調査では他に、20代の60.5%が日々の生活に「充実している」と回答した。一方、現状に「漠然と不安を抱えている」と回答した人も71.3%となっている。どちらも全年代の中で最も高いが、そののち年を重ねるごとに数値が下がる傾向にある。
また20代女性の34.5%が「30歳をめどに結婚したい」と答えており、30歳をひとつの区切りと捉えているようだ。また結婚とキャリアに関しては7割が「両立したいけどできないと思う」と回答している。
生活の充実と不安、結婚と将来のキャリアの点から20代女性は相反する気持ちの中で葛藤している。そして自分自身に「このままでいいのだろうか?」と問いかけるセルフプレッシャーをかけている状態であることが見て取れる。
著述家・プロデューサーの湯山玲子さんはプレスリリースで「30歳になることを不安に思うのは当たり前」と言い切る。
「『私という人間はこの世に生まれて何が心躍るのか、何が嫌いなのか、何を愛おしいと思うのか』ということを現実とぶつかりながら、ひとつひとつ自覚して納得していくのが30歳を迎える前の時期なのだと思います。だからむしろ"不安へようこそ"といってあげたいし、やっと30歳に近づいて大人になってきたっていうことですよ」
また日本の女性については、小さい頃から積極的に自分の判断で生きていこうとすると「『そんなことでは不幸になる』的な"呪いの言葉"を本日常的にかけられ続けている」と話す。
「女の幸せは結局これだ!的な"呪いの言葉"っていろいろ実はあるけれど、経験を重ねると、その正体がわかって一個一個が消えていく」
30歳以上の女性は「30歳という年齢にとらわれる必要はなかった」と回答した人が75.1%となっている。20代のときに抱いていた不安やプレッシャーは意外と大丈夫だったようだ。