オードリーの若林正恭さん(38)が6月11日放送のラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)で、日本人が「忙しい人のことをすごく偉いと思っている」ことに疑問を呈し、ネット上で話題となっている。
「超合理的に考えたら、休んで仕事のパフォーマンスを上げる人が偉い」
放送で若林さんは、2009年頃が最も忙しく、当時は1~2時間ほどしか眠れていなかったと告白。2008年末にオードリーがM-1グランプリで準優勝をしてブレイクした時期だ。この頃、芸人仲間と深夜に買い物に行った帰りに、なぜか涙が出てきたことがあったという。相方の春日俊彰さん(38)も同じ時期、実家から自宅に戻るときに涙を流しながら原付を運転していたことがあった。
こうした時期を振り返って、若林さんは「日本人てめちゃくちゃ忙しい人のことをすごく偉いと思ってる」けれど、「何が偉いんだろうな」と世間の風潮に噛みついた。春日さんが「がんばっているからじゃない?」と答えると、「なんで偉いの、がんばってたら」と反論。
「超合理的に考えたら、休んで一個一個の仕事のパフォーマンスを上げる最大公約数出す人が偉いだろ。休まないで一個一個のクオリティ落ちてたら偉くないだろ。なんで休みなく働いている人が偉いの?」
と持論を展開した。
春日さんもそうした風潮はあると認め、「海外とかだったら何やってるのみたいな感じで言われそうだよね」と語った。そして日本には、「働くことがいいこと、家族のため」という価値観があり、欧米とは文化が違うのではないかと指摘した。
「不幸と病気(怪我)と休まない自慢は日本人の美徳だからしゃーない」
ネット上では、「よくぞ言ってくれたと思う」「ホント悪しき風潮だよねぇ」といった称賛の声が相次いだ。
「休みは大事。休まないと必ずクオリティは下がる」
という声の通り、あまりに忙しいとパフォーマンスが落ちて、かえって効率が悪いのは確かだ。
「不幸と病気(怪我)と休まない自慢は日本人の美徳だからしゃーない」という声もあった。実際、日本人は他国の人々よりも休みを取らない。総合旅行サイト「エクスペディア・ジャパン」の調査によると、2016年の日本の有給消化率は28か国中、最下位だった。2014~2015年はかろうじて韓国を上回っていたものの、2008~2013年は最下位をキープしていた。
残業削減などに向けて「働き方改革」が推し進められる中、「どこまで変わるかな」と変化に期待する声もあった。