WRC世界ラリー選手権第7戦イタリアは6月11日、SS16~19が行われ、前日総合首位に浮上したオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が逃げ切り、キャリア初優勝を飾った。ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合2位だった。
■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合5位
「最高の週末ではなかったけど、13ポイントを獲得した。タフな週末を過ごした後の結果としては、間違いなくポジティブなものだよ」
「シーズン折り返しの段階でチャンピオンシップをリードできていて満足している。ランキング首位にいるということは、うまく戦えているという意味だからね」
「オット(・タナク)におめでとうと伝えたい。彼は優勝に値する走りをしていたし、週末を通して懸命に働いたチームにとっても、素晴らしい結果となった」
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/総合1位
「みんなに、どんな気分か尋ねられるけど、とにかく最高の気分だ! 本当に難しい週末だったけど、いい戦略を立てて、それをやり抜いた。今振り返ると、幸せな週末だったと言えるよ」
「チームは完璧な仕事をしてくれたし、(コドライバーの)マルティン(・ヤルベオヤ)も最高だった。2017年シーズン前半は素晴らしい結果だったね」
「マシンのポテンシャルだけでなく、それを支えるスタッフ陣も含め、僕たちは強力なチームだ。チームメイトも僕が全力を出せるようプッシュしてくれている」
「すべてのものが一体となって、僕たちはつねに進化し続けている。僕たちはプライベートチームだから、スタッフがどれだけ素晴らしい働きをしているか、考えて欲しい」
「(WRC初優勝は)僕たちにとって重要なステップだったけど、それを成し遂げることができた。ここから次にどういった道が開けるか楽しみだ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合26位
「今週末、勝利を手にするにふさわしい走りをしたオット(・タナク)を祝福したい。僕たちには、こんなにも強力なチームがいる。彼ら全員が最大限の力を発揮していたから、彼らにも大きな賛辞を送りたい」
「今週末は僕たちの思い通りにはならなかったと言える。ただポジティブな気持ちを忘れず、次の(第8戦)ポーランドを楽しみにしている」
「金曜日にクラッシュした後は、とにかくマイレージを稼ぐことが重要だった。ラリー・イタリア・サルディニアはシーズンを通して、もっとも“研磨材”のように路面が荒れたラリーのひとつだ。データをたくさん集めることができたから、これを今後の開発に活用する」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合3位
「今週末、総合優勝を争うことができなかったのは残念だったけど、全体的にはポジティブなラリーだった」
「土曜日にブレーキトラブルが起きたせいで1分以上タイムを失い、それを取り戻せなかったのは不運だった。この過酷なラリーで表彰台を獲得できたのは嬉しいし、今年また良い結果を残すことができた」
「(最終SS19の)パワーステージでは、できることすべてを出し切ったけど、路面コンディションとマシンの相性が悪かったし、車高も充分に上げられていなかった。それでもいくつかポイントを獲得したから、まずまずの結果だったと思う」
「オジエとのギャップを今までにないほど(18点差)縮めたけど、彼に追いつくためにはシーズン後半にさらに激しくプッシュしていく必要がある」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合12位
「フラストレーションが溜まる展開だった大会前半に比べれば、最終日は僕たちにとってはるかにいい1日だったよ!」
「午前中に、今週末4回目のステージ優勝ができて嬉しかった。またパワーステージでプッシュするために、タイヤを良い状態にしておきたくてセーブしていたんだ」
「簡単ではなかったけど、ここでいくつかポイントを獲得できて良かった。金曜日にターボトラブルがなければ、表彰台争いに近づけたはずだけど、起きてしまったことは仕方がない」
「次の(第8戦)ポーランドでの戦いに焦点を置いて、自分たちとチームのために、もっと上の結果を目指すよ」
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/リタイア
「土曜日の不運を挽回するために、今日はリズムを取り戻したいと思っていた。スタートはステージ優勝で飾ることができてよかったんだけど、今日のポジティブな面はそれだけだった」
「SS17で、とても奇妙な事故を“なんてことはない”コーナーで起こしてしまった。土曜日と同じく、マシンをイン側をぶつけて、大回りしてしまったんだ」
「なぜこんなことが起こるのか分からない。自分に失望したし、チームに申し訳なく思った。このことから学びたいと思うし、気持ちを切り替えて次の(第8戦)ポーランドに目を向けたいとも思う」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合2位
「最終日にトップとの差を縮め、2位でフィニッシュできたことに満足している。しかし、今日だけで2回ミスを犯してしまったことが悔やまれるね」
「まず、今朝の2本目のSSで深い轍の中を2速ギヤで走っていたところエンジンを止めてしまったんだ。そして、同じSSを2回目に走行した時には、ジャンクションで轍がかなり深くなっていて、うまくターンできずやぶの中を突っ切るしかなかった」
「しかし、チームにとってはリザルト、パフォーマンスの両面でとても良いラリーだったと思う」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)/総合6位
「昨日に続き、今日もステアリング系のトラブルが断続的に発生し、少しタイムを失ってしまった。また、金曜日最後のSSでミスを犯したことが悔やまれる。あのミスがなければ、土曜日はもっと有利な出走順となり最終結果も違ったものになっていたかもしれないから、少し残念だ」
「しかし、今回はラリー中にいろいろなことを試し、将来に向けて有効な情報を集めることができたので、とても有意義なラリーだった。6位は自分にとってヤリスWRCでのベストリザルトだし、選手権ポイントを獲得することもできたからね」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合4位
「多くのドライバーがベストタイムを狙い全力でアタックするパワーステージで、トップタイムを記録したことにとても満足している。もはや順位が変わるような状況ではなかったから、午前中の2本のSSではタイヤを温存して走り、そのためタイムもあまり良くなかった」
「そしてパワーステージの1本前のSSではスピードの感覚を確かめるため少しハードに攻め、パワーステージではクリーンな走りを心がけながら全開アタックした。今回のラリーでは、低速でツイスティな道での走りかたを学習することができたから、次は速度の高い道の走りかたを覚えたいと思う」