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ホンダ 2017MotoGP第7戦カタルーニャGP 決勝レポート

2017年06月12日 12:32  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス(ホンダ)
マルケスが2位、ペドロサが3位。Repsol Honda Teamが今季3度目のダブル表彰台を獲得

2017年6月11日(日)・決勝
天候:晴れ
気温:33℃
コースコンディション:ドライ
観客:9万9873人(3日間:17万6391人)


レポート
 第7戦カタルニアGPは、最高気温が33℃まで上昇。レースウイークで最も暑く、ライダーにもタイヤにも厳しい一日となりました。その中で、4番グリッドから決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、3戦ぶりの表彰台となる2位でチェッカーを受けました。

 マルケスは、2列目から好スタートを切ると、オープニングラップで2番手に浮上しました。そして6周目には、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)をかわしてトップに浮上。しかし、8周目にチームメートでポールポジション(PP)スタートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に抜かれて3番手へとポジションを落とし、しばらくはこの3台がトップグループを形成しました。

 18周目、マルケスは2番手に浮上し、そこから前を走るドヴィツィオーゾを追いかけます。地元ファンの大声援を受けて最後までプッシュしましたが、ドヴィツィオーゾを捕らえることはできず、2番手をキープ。25周のレースを走りきって、今季3回目の表彰台を獲得しました。

 今年は第3戦アメリカズGPでシーズン初優勝を達成。第4戦スペインGPで2位になりました。しかし、第5戦フランスGPで転倒リタイア、第6戦イタリアGPでも、タイヤとマシンのマッチングが完ぺきではなく我慢のレースを強いられ6位に。2戦連続で表彰台から遠ざかっていただけに、今大会の2位はうれしいものとなりました。

 これで総合4位から3位に浮上。今大会を制した総合2位のドヴィツィオーゾに16点差。今大会を10位で終えた総合首位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との差を23点へと縮めることに成功しました。

 今大会は、土曜日のフリー走行と予選で4度の転倒。決勝日朝のウォームアップでも転倒と、苦しい状況が続きました。決勝に向けて不安を抱える状態でしたが、いつも通りの100%の走りで表彰台を獲得しました。

 今季2度目のPPを獲得したペドロサは、レース中盤にトップを快走しましたが、終盤はペースをキープできず、3位でフィニッシュしました。「今日はスタートから攻める走りができませんでした。タフなレースでしたが、地元ファンの前で表彰台に立ててうれしい」と、今季4度目の表彰台に笑み。苦しいレースをしっかり走りきったことで、総合5位から4位へとランキングを上げることに成功しました。これでRepsol Honda Teamは、今季3度目のダブル表彰台となりました。

 予選17番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、後方グリッドから追い上げて11位でフィニッシュ。予選19番手からスタートしたティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は15位で、今季6度目のポイント獲得を果たしました。予選15番手のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は10番手を走行していた13周目に転倒し、リタイアとなりました。

コメント
マルク・マルケス(MotoGP 2位)
「週末をこういう結果で終われてとてもうれしいです。なぜなら、昨日4回、そして今日の朝に1回転んで、精神的にかなり厳しい状況に追い込まれていたからです。自分自身の走りとマシンへの自信を取り戻すために、チームが全力でヘルプしてくれました」

「そしてレースの前には“自分は昨年のマルクと同じだ”と言い聞かせました。自分のスタイルは常にプッシュし、決してあきらめないことです。だから今日も、優勝を目標にレースに臨みました。スタートしてすぐに(ダニロ・)ペトルッチ(ドゥカティ)が真横に当たってきました」

「バランスを取り戻したので本当に幸運でした。それからはレースに集中しました。(アンドレア・)ドヴィツィオーゾがプッシュして前に出たときは、自分もプッシュしましたが、今日の彼は速くて、2位になることを目標にしました」

「チャンピオンシップはまるでジェットコースターのようです。とにかく、一戦一戦レースに集中し、100%のトライをしなくてはいけません」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日の結果にはとても満足しています。チェッカーを受けて表彰台に立てたときは、いつもすばらしい気持ちになります。先週のイタリアでは、ひどいレースをしましたが、今週はポールポジションを獲得して、地元ファンの前で表彰台に立てました」

「正直、もう少しいいレースができると思っていましたが、今日はタイヤにとても厳しいコンディションで、グリップがあまりよくありませんでした。トップに立ったときにレースをリードしようとしました。しかし、ドヴィツィオーゾに抜かれてからは、タイヤをセーブする走りをする必要がありました」

「今日のタイヤは、フロントもリアもミディアムをチョイスしましたが、最後は限界に達していました。でも、両方ハードよりもいい選択だったと思います。パフォーマンスや耐久性も大事ですが、フィーリングがとても重要になります」

「厳しいレースでしたが、最終的に表彰台に立てたのですばらしいレースでした。明日のテストではフロントのフィーリングを改善し、いくつかのステップを刻みたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 11位)
「今日は完走できました。これが今大会の一番大事なことだったと思います。今日はそれほどすばらしい日ではありませんでしたが、17番手からスタートしたことを考えれば、11位になれて十分満足しています。愚かなことだと言われるかもしれませんが、今日は表彰台に上がる自信がありました」

「みんなのペースが落ちてくることを想定してハードタイヤを選びましたが、思ったほどうまくはいきませんでした。今週は予選で17番手。ミスもしてしまい、不利な状況になりました。でもHondaはすばらしい仕事をして、マルクとダニを表彰台に上げました」

「でもドゥカティのマシンはストレートで速かったです。これからも引き続き、一生懸命に取り組まなければなりません。ドヴィはすばらしい仕事をしました。とてもうれしく思います」

ティト・ラバト(MotoGP 15位)
「ホームレースだったので、もっといい結果を出したかったです。100%で走り、これ以上は無理でした。レース終盤に向けて快適に走ることができました。今日はトップと40秒差。昨年は1分差だったので、20秒短縮できました。今シーズンはすべてのレースで完走していますし、ポイント圏内にいます。問題はレース序盤に、ほかのライダーをオーバーテイクするペースがないことです」

ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)
「セットアップに改善点を見つけ、ウォームアップではいいペースがありました。そのペースを決勝でもキープして、1分47秒台後半のリズムを刻んでいました。(バレンティーノ・)ロッシ(ヤマハ)や(ホルヘ・)ロレンソ、そして(ヨハン・)ザルコ(ヤマハ)がいる集団を追いかけていました」

「とても快適に走っていましたが、ダウンヒルのコーナーで縁石に当たって転倒してしまいました。いいポジションを得られるよう一生懸命取り組んできました。残り11周だったし、快適に走っていたときの転倒なのでとても残念です。ポジティブなのは、フロントの感触が戻ってきたことです。次のアッセンが楽しみです」