逆転優勝を目指し、アタックを続けたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) WRC世界ラリー選手権第7戦イタリアは6月11日、SS16~19が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRT(TGR WRT)のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2位表彰台を獲得。エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合4位、ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位となり、参戦した3台全車が完走した。
ラリー・イタリア・サルディニアの競技最終日となるデイ4は、サービスパークの置かれたサルディニア島北東部のアルゲーロを中心としたエリアで4本のSSが行われた。
この日のオープニングステージは8時30分にスタート。総合首位のオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)と24.3秒差の総合2番手でSS16を迎えたラトバラは、逆転優勝を目指し全開アタックを敢行。トップとの差を18.8秒に縮めてみせた。
しかし、続くSS17ではコーナーリング中にエンジンがストール。再始動に手間取ったことでタイムを失い、首位との差が25.5秒に広がってしまう。その後、ラトバラは午後のSS18でふたたびギャップを縮め、首位と23.4秒差の2位で最終ステージを迎えた。
逆転を狙いアタックを続けたラトバラは、最終ステージでもタナクを上回る5番手タイムを記録したものの12.3秒及ばず。総合2位でラリーを終えた。
パワーステージに指定された最終SS19では、ラッピが今大会6回目となるステージトップタイムをマーク。ステージタイム上位に与えられるボーナスの最大ポイントである5点を獲得するとともに、WRカーでの参戦2戦目で表彰台獲得に迫る総合4位で完走を果たした。
総合5番手でデイ4を迎えたハンニネンは、パワーステアリングのトラブルが発生したことでペースを上げられず総合6位完走となった。
■「2回ミスを犯してしまったことが悔しい」とラトバラ
「我々にとって、間違いなく2017年もっとも力強いラリーのひとつだったと思う」と語るのはTGR WRTのトミ・マキネン代表。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は優勝まで12.3秒差に迫り、エサペッカ(・ラッピ)は多くのSSベストタイムを記録して、彼自身のベストリザルトを更新した。そしてユホ(・ハンニネン)は金曜日に一時ラリーをリードし、最終的には選手権でのポジションアップに成功した」
「参戦初年度の前半でこのような素晴らしい結果を残すことができたのは、ドライバー、コドライバー、エンジニア、メカニック、そしてチームのお陰だ。みんなに心から感謝している」
2位表彰台を獲得したラトバラは「最終日にトップとの差を縮め、2位でフィニッシュできたことには満足している。しかし、今日だけで2回ミスを犯してしまったことが悔しいよ」とデイ4の走行を振り返った。
「午前の2本目のSSで深い轍の中を2速ギヤで走っていたところエンジンを止めてしまった。そして、同じSSを2回目に走行した時には轍がかなり深くなっていて、うまくターンできなかったんだ」
今大会、最終パワーステージを含む全6回のステージベストをマークしたラッピは「多くのドライバーがベストタイムを狙い全力でアタックするパワーステージで、トップタイムを記録でき、とても満足している」とコメント。
「順位が変わるような状況ではなかったので、午前中の2本のSSではタイヤを温存して走り、パワーステージではクリーンな走りを心がけながらも全開でアタックしたんだ」
WRC次戦は6月29日~7月2日にポーランド北部を中心に行われる第8戦ポーランド。第5戦アルゼンチンから4戦連続のグラベル(未舗装路)ラリーとなるが、ラリー・ポーランドは全体を通してフラットで直線的なコースが続くため、スピードレンジはシリーズ1、2を争うハイスピードなものとなる。
トヨタはこのポーランドでも、ラトバラ、ハンニネン、ラッピの3台体制で挑む。