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フランスから上陸「ペロタン」ギャラリストが語る日本進出への思い

2017年06月11日 14:03  Fashionsnap.com

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来日したエマニュエル・ペロタン Image by: FASHIONSNAP
フランスの現代美術ギャラリー「ペロタン」が、六本木のピラミデビル1階にオープンした。オープニングに合わせて、創立者エマニュエル・ペロタンが来日。日本のアート市場と、ファッションと絡めた企画の可能性について、自身の見解を述べた。

 エマニュエル・ペロタンは21歳で最初のギャラリーを開設。村上隆を国外で初めて紹介した人物で、コンテンポラリーアートの世界では最も影響力のあるギャラリストとして知られている。現在はニューヨークや香港、ソウルにもギャラリーを展開。六本木にオープンした「ペロタン東京」は17番目のギャラリーとなる。
 アジアでは、香港(2012年5月)と韓国(2016年4月)にギャラリーを開設。日本に進出していなかった理由について、ペロタンは「魅力的なアーティストやギャラリーは日本に多く存在するが、海外から進出するギャラリーが少なかった」ことを挙げる。ペロタン自身は1993年に横浜で開催された「国際コンテンポラリーアートフェア」に参加したことを機に日本との縁を感じてきたといい、「私たちは日本のことが好き。マーケットが充分かどうかはまだわからないが、トライするべきだと感じて東京に開設することになった」と話す。
 日本進出に伴い、国内のアート市場にどのような影響を与えたいかについては「私たちの目的はアーティストのアートを見せること。新しいアートを持ってくること以外の具体的な戦略はない」とコメント。日本にはファッションやゲーム、漫画など特有のカルチャーがあり、特に東京はいろいろな価値観に出合うことができる場所であるからこそ「もっとコンテンポラリーアートについて考える必要がある」と指摘し、さまざまなギャラリーが集結する六本木エリアで「日本だけではなくインターナショナルなアートに出合える場としての東京を見せるべき」と持論を述べた。
 オープニング企画展として、現代抽象画の巨匠で今年97歳になるピエール・スーラージュの個展を開催。今後は日本独自の企画を検討していくという。ファッションと絡めた企画の可能性については、日本はファッションが重要なコミュニケーションツールの一つになっていると前置きしながら「アーティストたちの間でコラボレーションをするのは90年代からすでにやっていることなので、ファッションの力を借りて、日本でコンテンポラリーアートをもっと知らせたい。大事なのは、ファッションブランドがしたいことをするのではなく、アーティストがしたいことをブランドが手伝うこと。ファッションとのコラボレーションは同等の扱いでなければ、アーティストにも悪影響を与えるでしょう」と自身の考えを語った。
■ペロタン東京住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階アクセス:六本木駅1a出口から徒歩3分