2017年F1カナダGPの土曜予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンはキャリア65回目のポールポジションを獲得、彼にとってのヒーローであるアイルトン・セナと並ぶ歴代2位となり、最多のミハエル・シューマッハーまであと3回に迫った。
セナの家族の意向で、ハミルトンには、セナが1987年にロータスで走っていた際に使用していたヘルメットが贈られることになった。トップ3インタビューの後にはレプリカが渡され、実際にセナが使用した現物は、後に改めてハミルトンにプレゼントされるということだ。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=1位
正直に言ってとてもハッピーだよ。モントリオールは何年にもわたって僕に良い結果をもたらしてくれている。
フェラーリとはものすごい接戦になった。今週末の彼らはとても速い。でも僕は最高のラップを走れたと思う。セクシーなラップだったよね! こんなにもすべてがうまくまとまるなんて信じられない。
モナコでは本当に苦労したけれど、僕らは自分たちの犯したミスから学ぶことができた。このポールポジションはチームの皆のおかげで獲得できたのだと思う。
アイルトンのヘルメットをプレゼントされた時には、震えが止まらなかった。多くの人たちがアイルトンのファンだし、僕もそのひとりだ。これを受け取ったこと、そして彼の記録に並んだことを、とても光栄に思っている。
(セナのヘルメットを携えて臨んだトップ3会見において語り)言葉にならないよ。アイルトンの影響で、僕はここにいるんだ。
僕はアイルトンのものを何も持っていなかった。これ(ヘルメット)は僕にとって一番特別な宝物になる。どのトロフィーよりもずっと特別だ。心から感謝したい。(セナの)ご家族からこれほどの栄誉を授けられたことを誇らしく思う。
優勝回数でのアイルトンの記録に達した後は、これ(ポールポジション獲得記録で追いつくこと)を目指してきた。子どものころ、アイルトンに並ぶことができたらうれしいなぁと思っていた。本当に信じられないよ。
学校から帰ってくると、アイルトンのビデオテープを見たものだ。今、自分がここにいて、これほどたくさんのポールを獲得したなんて、不思議な気持ちになる。
今年は僕のキャリアのなかでも一番厳しいといっていいようなシーズンだ。彼ら(セバスチャン・ベッテルとバルテリ・ボッタス)やキミ(・ライコネン)と激しく戦わなければならず、皆、ぎりぎりの状態だから、完璧でなければならない。
もちろん、常に完璧でいるのは無理だ。でも今日はすべての力を尽くして、完璧に近づいた。
(いずれシューマッハーのポール記録に追いついたときの気持ちを聞かれ)そこまでいっていないから何とも言えない。まだそこまで考えていない。
ミハエルの信じられないような記録にも近づいているから、そこまで到達したいと思う。それができたときには光栄に思うだろう。でもとにかく今は、この瞬間に感謝したい。