6月10日現地時間午後1時、F1カナダGPの予選が行なわれた。午前中に引き続きモントリオールは好天に恵まれて、気温は22度、路面温度は44度まで上がってきた。
それでもジル・ビルヌーブ・サーキットは路面がスムーズでタイヤに負荷が掛かりにくいためタイヤのウォームアップには時間が掛かり、どのチームも前戦モナコGP同様にタイムアタックまでに時間が必要になる。そのためコース上のトラフィックも懸念される。
Q1の開始直後から各車がウルトラソフトでコースインしアタックに向かう中、フェラーリだけはスーパーソフトでアタックへ。メルセデスAMGとレッドブル勢は他車とタイミングをズラし、4分ほどが過ぎてからコースへと向かう。
早々にトップに立ったのはセバスチャン・ベッテルだったが、ウルトラソフトでアタックしたバルテリ・ボッタスがこれを上回って首位、ルイス・ハミルトンもベッテルを上回って0.007秒差の2番手に。
FP3までの展開と同じく上位はレッドブル、フォース・インディアが構成し、9位フェリペ・マッサ、10位フェルナンド・アロンソと続く。
キミ・ライコネンはターン9の出口でワイドになり右リヤホイールをウォールに擦り、ストフェル・バンドールンはターン7出口で左リヤを当てて火花を飛ばす場面もあったが事なきを得た。
残り6分で10位のアロンソ以下全車が2回目のアタックに入るが、残り1分でパスカル・ウェーレインがターン1のブレーキングでリヤが流れて後ろ向きにクラッシュ。
これでダブルイエローが降られて予選Q1は実質的に終了となり、バンドーン、ストロール、マグヌッセン、エリクソンがタイムアップを果たせないままQ1敗退となった。
Q2では15台全車がウルトラソフトを履いてアタックへ。ここでトップタイムを記録したのはハミルトンで1分12秒496、これにライコネン、ボッタス、ベッテルと僅差で続く。
カルロス・サインツJr.はターン1の入口でリヤのグリップを失ってスピンを喫したが、無傷。ジョリオン・パーマーもブレーキングポイントにあるバンプでフロントをロックさせてランオフエリアに飛び出す。
残り3分で各車が2回目のアタックに向かうが4番手ベッテルだけはピットに留まり1回目のアタックタイヤを明日の決勝スタートで使用することに決めた。
最後のアタックでダニール・クビアトは右リヤのホイールを壊してスローダウン。3強チーム以外でQ3に進んだのはマッサとフォース・インディア勢、ニコ・ヒュルケンベルグで、アロンソはタイムを更新したものの12番手でQ2敗退となった。トロロッソ勢、グロージャン、パーマーもここで予選を終えた。
Q3は開始前から各車がピット出口に並んでコースイン。もちろん全車がウルトラソフトの新品を履いてアタックを開始する。
メルセデスAMGはパワーユニットを予選Q3モードに切り替えパワーアップしてきたのかハミルトンがQ2から0.7秒と大幅にタイムアップを果たし1分11秒791を記録してトップに立ち、ボッタスも0.386秒差で2番手。フェラーリ勢は0.5秒以上の差を付けられてしまった。
1回のみのアタックでQ2を通過しタイヤを温存したベッテルはQ3で3セットの投入。残り4分で早くも2回目のアタックを完了するが、僅か0.004秒ハミルトンに届かず2番手に留まった。
最後のアタックでさらにタイムを更新し昨年のポールタイムを1.3秒上回る1分11秒459まで伸ばしたハミルトンは、これでアイルトン・セナに並ぶ自身65回目のポールポジションを獲得。
ベッテルは自己ベストは更新したもののターン10でフロントタイヤをロックさせるなど0.330秒及ばず予選2位に終わった。
ボッタスは3位、ターン1でミスを犯したライコネンは4位、5位・6位にはフェルスタッペンとリカルドの順でレッドブル勢。
その後方はQ2と同じくマッサ、フォース・インディア勢、ヒュルケンベルグという結果になった。