WRC世界ラリー選手権は6月10日、SS2~9が行われ、ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合首位に浮上した。TOYOTA GAZOO Racing WRTの最上位はヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)の総合4番手だった。
■Mスポーツ
セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合7番手
「僕らにとって素晴らしい1日ではなかった。グリップを得るためにできる限りのことをしたが、第1走者としての状況は変わらなかった」
「マシンには満足している。サービスでいくつかパーツ交換したことにも満足しているけど、いつもプッシュしようとすると、グリップが少なくてリスクが非常に高くなってしまった」
「今日はスピードを出すチャンスがなかったから苛立ったよ。ただ、今回はより広い視点をもって明日の走行を待ちたい」
オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合3番手
「現時点ではギャップはかなり小さいから、何が起きても不思議ではない。ベストを尽くしたけど、最高の1日という感じではなかった。だから、トップと近いところで1日を終えられてうれしいよ」
「最初の走行は路面が汚れていてトリッキーなコンディションだったから、かなり滑りやすかった。午後はもっと楽しめたけど、実をいうと、パーフェクトなフィーリングは得られなかった。良かったときもあるし、そうでもないときもあった」
「いくつか改善するためのアイデアがあるし、誰もが明日のステージを楽しみにしている。だから、楽しい1日になると思うよ」
エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合41番手
「クレスト(起状)後のタイトコーナーで、レッキの時には気づかなかったくぼみがあった。そこを通過するときにマシンの底を打ってしまい、曲がりれずに木に衝突した。そこで僕たちの1日は終わってしまった」
「全力を尽くせなかった。最初の2ステージを通して、もっとリスクを負うこともできると思った。ラリーは紙一重の戦いで、時おり、足元をすくわれることもある。今日の僕たちのようにね」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合1番手
「今日は具体的な計画を持ってラリーに臨み、そこから大きく外れることはなかった。このラリーで初日に勝利を決めることができないのは分かっているから、ただリラックスした気分でいるようにした」
「マシンの感触は良かったし、午前中の調子を午後も保ち続けたいと思った。でも残念なことに、SS7で左のフロントダンパーを損傷してしまい、そのせいでマシンのバランスが変わってしまったんだ」
「今日、焦点を置いていたのは、明日のために有利な出走順を確保することで、その点では目的を達成することができた。明日のステージをとても楽しみにしているけど、過酷で容赦のないラリーになることは分かっている」
ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合2番手
「木曜日の夕方に(SS1で)ステージ優勝を飾れたのは嬉しかったけど、今日がラリーの本当のスタートだ。SS3(モンテ・オリア)の分岐点をまっすぐ進んでしまい、戻らなければならなかった時に5秒ほど失ってしまったけれど、良い1日だった」
「出走順のせいで、掃除役をやらなければいけなかったけど、それでも表彰台圏内でバトルができるんじゃないかと思っていた」
「午後はプッシュしていったけど、終盤はタイヤがパフォーマンスを発揮できる状態ではなかった。それでも、まあまあのタイムを出し、総合2番手という素晴らしい順位を獲得した。これは土曜日に重要になってくるよ」
ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合19番手
「ポジティブだったことは、今日のステージを楽しむことができて、何回かは良いタイムを出せたことかな」
「残念なことに、ターボの問題は1日を通して影を落とした。チームはランチタイムの間に問題を完全に解決しようと、できることのすべてをやってくれた。でも午後の走行のスタートのときに、ブースト圧に関係するところにトラブルが起きたんだ」
「幸運なことに、最後の2ステージに間に合うように修理することができたので、あとは全開でいくことに決めた」
「3つのステージで勝利できて本当に嬉しいよ。ターボの問題がなかったら、総合順位で表彰台を獲得できたかもしれない。明日は過酷なラリーになるのは分かっているけど、今日の調子を維持したい」
シトロエン/シトロエン・レーシング
クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/デイ2リタイア
「最初にシトロエンと、チームの皆、僕たちのファンにお詫びを言いたい。今日は良いスタートを切ることができ、ミスをしないよう、着実に正確なドライビングを心がけていた。でも左後輪が土手に接触し、あっというまにマシンを跳ね飛ばされて横転してしまった」
「マシンをなんとか元に戻してステージの最後まで走ることができたんだけど、ロールケージの一部が損傷しているのを見て、リタイアは避けられないんだということが分かった。最善を尽くしたけど、充分ではなかったようだ」
クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合40番手
「SS3の終盤のところにジャンプがあって、大きな衝撃とともに着地した。そのときにレッキ走行では気が付かなかった石にぶつかったんだ」
「着地の衝撃でギヤボックスが壊れてしまった。オイル漏れの応急処置をしようとしたけど、戦い続けるには不充分だった」
「明日はラリー2規定のもと、有利な出走順でラリーに戻る。良いステージタイムを出せるように努力して、チームのために少しでもポイントを獲得するよ」
アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合9番手
「きつい1日だった。僕の目標はシトロエンC3 WRCについて学ぶことだった。先頭集団と戦う前にステップ・バイ・ステップで、マシンを学ばなくてはならない」
「マシン自体は、これまで僕がドライブしてきたものとは違うから、適応するのに少し時間がかかってしまった。チームと一緒にセットアップを変えたり僕のドライビングスタイルに合わせたりしていた」
「大事なのは、このコースのすべてのステージを完走できたことだね」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合4番手
「朝のステージは道の表面が大量のルーズグラベルで覆われていて、とても滑りやすく感じた。今日の3本目のSSではクルマの下面のサンプガードをヒットし、スターターモーターを破損してしまったんだ」
「1度エンジンが止まると再始動できなくなるから、とにかくエンジンがストップしないように注意して走った」
「日中のサービスで問題は完全に解決しましたが、午後はボンネット上に留めてあったラリープレートが走行中に外れて目の前でバタバタと動き、少し気が散ったよ」
「午前中のSSはやや浮き沈みが大きかったと思うけど、午後のパフォーマンスには満足している。明日は白熱した戦いになるだろうけど、自信を持って戦い抜くつもりだ」
ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合6番手
「今日、最後のSSのフィニッシュ近くでクルマのフロントセクションにダメージを受け、タイムを失ってしまった。橋の近くでブレーキングをした際に路面が非常に滑りやすく、スピンして壁にフロント部分が当たってしまった」
「その結果ラジエ-ターパイプが破損したけれど、応急処置を施しサービスパークまで戻って来ることができた。スピンするまでは特に大きな問題もなく、調子も良かっただけに残念だよ」
「今日の路面はとても滑りやすかったけど、駆動力がしっかりと路面に伝わっていると感じていた。きっとダンパーの改善作業が上手くいっているのだと思う」
「午後は路面がかなり荒れていて、轍も深くなっていたので、注意深く走った結果少しペースが落ちてしまった」
エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合8番手
「今日、僕たちが記録したタイムは自分たちの予想以上でとても驚いている。特に午前中のステージではセカンドギヤを失っていたのでなおさらだけど、通常の前進6速ギヤではなく、5速ギヤでも充分に戦えるのではないかと思ってしまったほどだよ」
「日中のサービスではクルマのセッティングを大きく変えたところ、午後のステージではフィーリングがさらに良くなり、それが好タイムに繋がった」
「残念ながら午後のステージで左フロントダンパーが破損してしまったけど、それまでは完璧だった。競争はかなりハイレベルだけど、なんとか良いタイムを刻もうと努力していく」