6月9日現地時間午後2時、F1カナダGPのFP2が始まった。依然として空には雲が垂れ込め、気温は23度、路面温度も34度までしか上がっていない。さらに午前中のFP1に続いて強い風が吹き抜けている。しかし、心配された雨は降水確率10%と低いままでセッションの開始を迎えた。
相変わらずグリップ不足とリヤの不安定さに悩むドライバーが少なくないが、特にロマン・グロージャンは2周連続でターン6でスピンし「同じコーナーで2回もスピンするなんてありえない、クルマの何かがおかしい!」と違和感を訴える。
約30分後にはターン2でもスピンし、BBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)のセッティングに問題を抱えていることを指摘する。
それ以外にもセバスチャン・ベッテルは最終コーナーでコントロールを失いかけ、ニコ・ヒュルケンベルグはターン9出口でウォールを擦る場面もあったが、ともに事なきを得た。
バルテリ・ボッタスも59分にターン1でリヤが流れてスピンし、ランオフエリアを後ろ向きに突っ切ってストップ。幸いマシンにダメージはなく走行を続けた。
その後もターン6でベッテル、ターン1でダニール・クビアト、ジョリオン・パーマー、ターン2でセルジオ・ペレスなど、エイペックスから急にリヤのグリップ失うような今年特有のスピンが相次ぐ。
またダニエル・リカルドは、開始から15分で「パワーを失っている」と報告しガレージへ。チームは問題解決に時間が掛かることを認めている。
FP1でパワーユニットのハイドロ系統からリークが発生し油圧が低下してしまったフェルナンド・アロンソのマシンは、修復作業に追われて準備が整っていない。
ストフェル・バンドーンのマシンもフロアなどの整備に時間が掛かり開始から20分が過ぎてようやくコースインを果たした。
アロンソは53分が経過したところでようやくコクピットに収まり、走行を開始する。バンドーンは54分に最終シケインでスピンを喫するが、縁石に乗り上げることなくマシンを停止させて走行を再開した。
午後3時9分、マックス・フェルスタッペンのマシンがリヤから白煙を上げてターン7出口にストップ。これで赤旗が出されるが8分後にはマシンが回収されてセッション再開。その間、マシンを押すマーシャルが転んでしまうハプニングも。
午後3時17分にセッションが再開されると、レッドブル勢とバンドーン以外の全車がコースインして走行を再開。
90分間のセッションを終えてトップタイムはキミ・ライコネンで1分12秒935と、昨年のFP2を1.3秒上回ってきた。2番手にはハミルトン、3番手ベッテル、4番手ボッタスと2強チームが続き、5番手にはFP2からウルトラソフトを投入してきたフェルスタッペン、その後方は6位マッサ、7位アロンソ、8位オコンという順位になった。