キミ・ライコネンは、2017年のF1ワールドチャンピオン争いにおいて、チームメイトのセバスチャン・ベッテルがフェラーリの“ナンバー1”ドライバーだとする意見に反論した。
先月行われたモナコGPではピットストップでベッテルがライコネンを逆転し、そのまま勝利した。だが、この順位変更がベッテルのタイトル獲得に向けたチーム戦略の一環だったという説は、ベッテル自身が否定している。
タイトル争いのライバルであるメルセデスのルイス・ハミルトンは、フェラーリがベッテルを優遇し、チャンピオン争いで彼をリーディングドライバーに選んだことは明白だと示唆した。
ベッテルをナンバー1とするフェラーリの方針があったのかと聞かれると、ライコネンは以下のように答えた。
「いや、そうしたものはない。だがシーズンのある時点で、ドライバーのひとりにタイトル獲得のチャンスがあり、もうひとりにはなくなっていたら、そういった戦略を採ることは普通にある」
「僕が今まで所属していたどのF1チームでも、常にそういうものだった。そのことについてはまったく問題だと思っていないし、公正なやり方だ。僕たちは可能性がある限り戦う。そして戦い方を変える必要が出てきたとしても、それはそれで公平だ」
ハミルトンの発言について、ライコネンは次のように語っている。
「彼が他のチームについてどの程度のことを知っているのか、僕にはわからない。彼ががどんな考えであっても別に問題はない。僕たちには自分たちのすべきことがわかっているし、今回のようなことが起きることだってある。珍しいことじゃないよ」
「そう、いつもどおり(思い切りレースをするだけ)だ。チームのルールはわかっているし、チームが求めるものもわかっている。それだけのことだ」
「僕たちはできる限り懸命にレースをする。いつも互いに相手に勝とうとして戦っていて、そして毎回誰かひとりが先頭に立つんだ。今回がああいった結果になっただけのことで、よくあることだ」
ベッテルは“ナンバー1”としてフェラーリと契約しているのではないだろうか。この質問に、ベッテル本人はこう答えている。
「いや、違う。シーズンのいまの時点では、まだ多くのレースが残っているのだし、そんなことには意味がない」
「人々が僕たちのことをどう思っているのかを気にかけて、消耗するつもりはないよ。僕たちはベストを尽くしている。さっきも言ったように、チームには明確な方針があるんだ」
ライコネンはモナコの表彰台で硬い表情を見せていたが、それはチームへの不満からではなく、自分が2位に終わったという事実に苛立っていたからだと話す。
「怒ってはいないよ。一度も怒ったりはしていない。2位だったことを喜べなかった。それだけだ」
ライコネンの来季のプランは「決定済み」
今シーズン末をもってフェラーリとの契約が終了するライコネンは、2018年のプランを決めたことを示唆したが、その内容については固く口を閉ざしている。
「計画は立てたけれど、その内容は君たちの誰にも話す必要がないものだ。君たちには関係ないし、どちらにしても君たちは書き続けるだろう。つまり(何も)変わらないということだ」
「知るべき人たちは知っている。今後どうなるかは、そのうちわかるよ」
自身の来季の契約については「来シーズンに関する契約は何もない。毎年、僕の次の契約についてはいろいろな噂話が出るものだ。今回モナコで起きたことと、僕の契約内容には何の関係もない」と述べた。